EOS10D日記その13

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2006.10.16 エルノター

別にエルノターを買ったわけではありません。エルノスターはF1.8がいいとか、いやF2.0の方がいいとかいう話をしているとき、エルノスターにはF2.7とかF4.5もあるよねと私が言ったら、F4.5はエルノスターじゃなくてエルノター(ernotar)だと言われて愕然としました。私はエルノスターだとばかり思っていたのですが、とんでもない勘違いでした。しかし、まぎらわしい名前ですね。どうりで安いと思いました。以前TestarをTessarだと読み違えてこともありますが、最初に一度読み違えてしまうと、なかなか間違いに気付かないものです。まあ、分解して見ればすぐわかるのですが。


2006.10.15 浅沼商店の目録 明治40年 その2

明治40年の目録で、レンズ以外で目につくのは、フィルムと安いカメラの登場です。一号ブラウニーコダックでは3円25銭という驚異的な安さを実現しています。本格的なカメラ一式が180円、テッサー付きミニマムパルモスが260円の時代ですから。また6枚撮りフィルムが40銭ですから、フィルム約48枚分の値段でカメラが買えます。コダックにより写真の大衆化が始まっていたようです。また、三色製版によるカラー印刷が始まっているようです。天然色写真機も掲載されています。明治32年からたった8年しかたっていないのですが、ものすごい進歩ですね。一方、古めかしい首胴押さえがまだ販売されています。

貨幣価値の換算は難しいそうですが、明治末期の1円は今の2万円くらいとの説もありますので仮にこれを適用すると、一号ブローニーコダック6万5千円、6枚撮りフィルム8千円、ミニマムパルモス520万円、プラナー160mmF4が340万円、テッサー180mmF6.3が220万円、ダゴール三類150mmF6.3が176万円というところでしょうか。


2006.9.14 通販の英語 11 Which lens do you recommend

文例11: Which Ernostar lens do you recommend in terms of sharpness at F=2.0 ?
(F1.8とF2.0のエルノスターの在庫が5本もあるようだけど)F2.0の時一番シャープなエルノスターはどれ?

エルノスターを探していたら、F1.8とF2.0のエルノスターが同じ店に5本もありました。F1.8は面白そうだけど外観があまりエルノスターらしくないし、ちょっと高い。一方、F2.0はエルノスターらしい外観でちょっと安いけど、面白みに欠けそう。そこでカメラ屋さんに聞くことにしました。漠然と聞いても返答に困るでしょうから、F2.0でシャープなのはどれ? という具体的な質問にしてみました。本当はシャープじゃなくてもいいんですが、何本も買えるレンズではないので今回はシャープなものを選ぶことにしました。

この問い合わせに対するケビン氏の回答は、"always slower len better,take 100/2."というものでした。100mmF2の方がいいと。ケビン氏はなぜかlensのことをlenと書きます。複数形はlensesとなり普通です。それと文頭に大文字は使いません。全部小文字です。文法的にlens is betterが普通だと思いますが、len betterでも意味は分かります。私も社内の通信文ではisとかhasとかを省略することがあります。If文節などではisかwasかwereかhasかhadかが入る所なのですが、意図はどれでも同じで、変な意味が出ると困るので省略しているというのが本音です。厳密には分かっていません。要は内容が分かれば何でもいいという感じの英語ですね。ですので通販でも文法なんて気にせず、分かるようにさえ書けばいいと思います。

ちなみに今はまだ米国時間の12日(木)で日記の日付が2日ほど進んでいます。予定通り明日13日(金)にサンノゼを出発し、14日(土)に日本に帰ります。


2006.9.13 通販の英語 10 I received

文例10: I received the package today. All lenses are just fine.
今日荷物が届いたよ。全部のレンズを見たけど全く問題なかったよ。

レンズを何個か送ってもらって、ちゃんと届いたので連絡した例です。まあ、連絡しなくてもいいのですが、相手にいい客だと思わせる必要はあると思います。後日取引する時、少しは有利に進むことを期待しましょう。レンズが到着したらすぐに内容を確認して注文と合ってるか、輸送中に破損していないか、ちゃんと写るかチェックした方がいいでしょう。普通はレンズの到着を心待ちにしているので、すぐにチェックしない人はいないと思いますが。今まで問題があったことはありませんので、問題があった場合どうすれば良いのかは分かりませんが、すぐにカメラ屋さんに連絡するしかないでしょう。

値段が高いと税金がかかります。税金はEMSの場合郵便屋さんに支払います。代引きと同じです。課税されると通関に少し余分に時間がかかります。


2006.10.12 浅沼商店の目録 明治40年

寺崎さんに教えて頂いた国立国会図書館の近代デジタルライブラリーを見ていたら、浅沼商會から明治40年(1907年)に発行された”写真機械材料目録”という本が見つかりました。明治32年の目録から8年後に発行された目録がどのように変わっているのいか興味深いところです。

真っ先に気付くのは作例写真が多数掲載されていることです。この8年間で書籍の印刷技術が大きく進歩したようです。

レンズでは、やはりツアイスの第一類Aプラナー第一類Bウナー第二類Bテッサー最近発売新鏡玉第一類Cテッサーが掲載されていることです。ゴルツの第十類ハイペルゴンも掲載されています。


2006.10.11 通販の英語 9 I need some more investigation.

文例9: I need some more investigation. Please wait for a while.
もうちょっと調べてたいんだ。(最終的な注文を出すのは)ちょっと待ってね。

希望のレンズか見つかり、メールのやりとりもして、だいたい買うことは決まったのですが、最終的な注文を出す前にもうちょっと調べて見たいことがあります。調べると言ってもWebで調べるだけなのですが、なかなかいい情報は見つかりません。掲示板で人の意見を聞くこともあります。私の買うレンズはそんなに急に売れそうなものではないので、まあゆっくり考えてよ、みたいな回答が返ってきます。お取り置きみたいなものですね。

注意しなければならないのは、Webに出ているからといって買えるとは限らないことです。私が買った後でもしばらくはそのままWebに出ていることが多いです。中古カメラ屋さんのWebの更新は一般に遅いようです。気まぐれですが。幸いにも私が欲しいレンズは不人気なのか、Webにはあるが既に売れてたということはありません。しかし、売れ筋のレンズを狙う場合には早めにお取り置きしたほうがいいでしょう。お取り置きに応じてくれるかどうかは分かりませんが。


2006.10.10 通販の英語 8 I don't need shutter

文例8: I don't need shutter, burrel or sunk are OK. I care balsam to a certain degree.
シャッターはいらない。バレルまたはサンクマウントでいい。バルサム切れはある程度気にする。

昨日にt続き、レンズの程度の指定です。私の場合自分でEOS 5Dに取り付けるので、シャッターはない方がいいのです。シャッターのないレンズは一般にバレルと言われますが、サンクマウントもバレルの一種のようです。非常に古いレンズではレンズを金属の筒に入れただけのバレルしか存在しませんので使う人が限られます。少し新しい時代になると、レンズシャッターが付きます。シャッターが完全に動くものは高価になります。シャッターが壊れているものは安くなります。一般にレンズ自体よりシャッターの方が壊れやすいので、私には好都合です。バルサム切れがあまりひどいと困るのですが、多少なら大丈夫です。妥協できる点を明確に示してさらに安いものを買おうとしているわけです。完璧なミント品はとんでもない値段になりますので。

実物を見ることのできないネット通販では、難点が多くて安いレンズはあまり販売されていません。どちらかというときれいで高価なものが多いです。本当に安いものを探そうと思ったら、ヤフオクや中古屋さんの委託品やジャンクを探した方がいいでしょう。こちらは根気勝負となります。


2006.10.9 通販の英語 7 I don' care

文例7: I don't care dust, small scratch or missing flange.
埃とか小さな傷は気にしないし、フランジ(レンズをボードに止めるネジ)がなくてもいいよ。

私は自分でレンズを分解清掃するのが趣味ですし、マウントは自作ですので、レンズを探してもらう時こんなことを言っています。多少欠点があってもいいから安くしろと言いたいわけです。本当のコレクターはこんなのを買いませんから、結構安くなります。特に1ミリ以上の傷があった場合は一般には敬遠されるので安くなります。しかし、ほとんど写りには影響しませんので私はこんなのを狙っています。中玉に曇りがあるとジャンク価格になり理想的なのですが、さすがに外国の中古屋の通販には出ていません。中玉の曇りは戦前のレンズならたいがいきれいに取れます。もちろん取れない場合もありますので格安であることが条件になります。


2006.10.8 通販の英語 6 I'm looking for

文例6: I'm looking for a very early Zeiss Planar lens with aberration, hopefully earlier than 1910.
収差のいっぱいある太古のプラナーを探しているんだ。できれば1910年以前のものが欲しい。

数回または数十回のメールのやりとりを経てレンズが入手できたら、既にカメラ屋さんとは顔なじみのような気がします。通販ですので一度も顔を見たことはないのですが。Webのカタログもかなり詳しく見ているはずです。海外の通販に手を出すということは、相当めずらしいレンズを探しているはずです。次に自分が欲しいレンズはそう簡単には見つからないと思いますので、探してもらうよう依頼してもいいでしょう。Opicを探していたとき、Opicはないかと聞いてみたら、Webには出していないが在庫はあるとの回答でした。但しOpicでとはレンズに刻印されていないので、安くしておくよとのことで、聞いてみるもんだなと思いました。はやっているカメラ屋は忙しいようで、仕入れたレンズを整理してWebに掲載する時間がないことが多いようです。

似たようなケースで、Webには掲載されているが価格が書いていないかまたはCallと書いてある場合があります。この場合も恐れずにHow much ? と聞いてみたほうがいいでしょう。私が何度か聞いた経験では、思ったより安いことばかりでした。本当はもっと高いんだけど、買ってくれるんだったら安くしておくよ、みたいな返事が多かったです。なにせ他に比べるものがないので、本当に安いのかどうかは分かりませんが。

ここで使っているearlyはoldと同じ意味ですが、古いものほど価値がある場合にはearlyが使われることが多いようです。日本語で”初期のプラナー”と”古いプラナー”の違いと同じようなものです。


2006.10.7 通販の英語 5 Please let me know

文例5: Please let me know the shipping and tracking information.
荷物の出荷情報とトラキッング番号を教えてね。

普通はお金を送るとすぐにレンズを発送してEMSとかFedExとかのトラッキング番号を教えてくれます。トラッキング番号を使って今荷物がどこにあるのかWebで簡単に調べられます。しかし、まれになかなか送ってくれない時があります。なぜ送らないのか? いつになったら送ってくれるのか? と責める手もありますが、穏便に”きっともう送ったよね。番号を教えてね”とやった方が罪悪感を少し感じてもらえるのではないかと思います。場合によっては、ちょっと負けてくれたりします。この Please let me know というのは非常に良く使います。ただ知らせてねというだけで、特別な意味はありませんので、非常に便利です。

お知らせ: 昨日紹介した国会図書館の近代デジタルライブラリーは法定停電により、10/7(土)9:00〜10/9(月・祝)21:00の間利用できません。復旧後にご覧下さい。


2006.10.6 浅沼商店の目録 明治32年

”写真鏡玉”を教えて頂いた寺崎さんから、写真版及石版器具材料図解目録(浅沼商店,明32.2)という大変興味深い書籍を紹介して頂きました。明治32年というと1899年で、レンズの歴史としては非常に面白い時期です。国立国会図書館のウェブサイトへのリンクは基本的に自由ですので助かります。リンク用に各ページのURLを表示する機能まであります。

輸出入商である浅沼商店がこの目録を作り出したのが明治31年(1898年で)で完成まで一年を費やしています。目録の完成後に関税の改正があり、一割から二割の値上げを強いられたようですが、今と違って当時は簡単に本を修正することもできず、最初のページに”謹告”がつけられています。また、39ページまではインチ(吋)表記になっていますが、40ページからは”?法ニ従ヒ日本尺を用フ”(?の文字は判読不可)の但し書きの元、日本尺での表記に変わっています。このあたりからも当時の世情がうかがわれます。

この時点で浅沼商店は”弊店は創業以來茲に三十有餘年”とあります。ダルメヤー、ザイス(ツァイス)、ゴルツ(ゲルツ)、テーラー、ロッス、ステンヘール(シュタインハイル)、エルマジー、ボイグトランダー(フォクトレンダー)などの主要なレンズを輸入しており、大きな店でだったようです。

この時期はツアイスがプラナーを開発した直後でウナー開発の直前という印象が強いのですが、プラナーは記載されておらず、まだダルメヤーの時代だったようです。ダルメヤーについては先頭に非常に詳しい説明があります。プラナーと同じ時期に開発されたスチグマチック第一類第二類はレンズ構成図入りで紹介されています。

ツアイスについてはアナスチグマツト第一類、第二類、A第二類、第三類、A第三類、第五類、第七類、A第七類が紹介されています。第一類は売られていなかったのかと思っていましたが、ちゃんと日本でも売られていたようです。

ゴルツについては、ダブルアナスチグマツト第三類、第四類と並んでリンカイオスコープC印、D印、E印、F印が販売されています。

テーラーホブソンについては、クック鏡玉第三類と第五類、ラピッドレクチリニアが販売されています。クック鏡玉の中玉が2枚貼りあわせであることが写真からはっきり読み取れます。


2006.10.5 サンノゼ出張

いつものように2時の成田エクスプレスに乗って成田空港へ行くと、アメリカン航空のチェックインはいつものように長蛇の列。4時過ぎにやっと順番が来てカウンターに行くと、サンノゼ直行のAA128便は既に出発したとのこと。今まではいつも5時前後の出発だったのに、今日は3時半。いつもと同じAA128便ですが、出発時間は季節と曜日によって違うとのこと。これは知りませんでした。今まで20回以上乗っている飛行機なのに。愕然としながら旅程表を見るとやはり15:30と書いてあります。これは完全に私のミス。同じ便でも出発時間は毎回確認が必要という教訓を残したのでした。幸い無料でロサンゼルス経由の便に振り替えてもらい事なきを得ました。4時間遅れで無事サンノゼに到着。他の航空会社じゃチケット買いなおしですよとのことでした。


2006.10.4 通販の英語 4 I sent you

文例4: I sent you $xxx via PayPal/postalmoney/wire transfer. Please send me the lens to the follwing address.
お金をペイパル/郵便為替/銀行振り込みで送ったよ。次の住所にレンズを送ってね。

値段が決まったらお金を送って、レンズを送るよう依頼します。クレジットカードで直接支払う場合は、向こうから確認のメールが来ると思いますので、こちらからメールを打つ必要はないでしょう。クレジットカードとペイパルと銀行振り込みはやったことがありますが、郵便為替は使ったことはありません。この前試しに郵便為替を使おうと思って郵便局に行って、用紙をもらって、間違えないように慎重に宛先などを書き込みました。日本円をドイツに送れという指定だったのでそのように書いて提出したら、日本円を書いてはいけないとのこと。ユーロを書いて、それを円貨を換算した金額を支払うことしかできないとのこと。もう一度全部書き直してくれとのことでしたが、あまりの面倒臭さに投げ出してしまいました。郵便貯金ホームページを見るかまたは郵便局で詳しく聞いてから書き始めた方がいいでしょう。

クレジットカードまたはペイパル(これもクレジットカードを使います)で支払えれば何も問題ないのですが、高額の場合、海外からのクレジットカードの使用を認めてくれない場合があります。確かに何らかのトラブルがあった場合、取り立てるのが難しいことは間違いありません。現金系の支払いになるのはやむを得ないでしょう。

手数料はクレジットカード無料、ペイパルはほとんど無料(ドルの通貨以外では為替手数料がかかります)、郵便為替は一律2,500円、銀行振り込みの場合は3,000円以上するでしょう。手数料が銀行振り込みより安いし、、安全性が高いので売主から郵便為替をすすめられたことがあります。結局使いませんでしたが。レンズ自体の送料が3,000円以上しますので、安いものを買う場合は注意が必要です。国内で買った方が総額が安くなる場合があります。


2006.10.3 Tokina AT-X MACRO 90mm F2.5

Tokina AT-X MACRO 90mm 1:2.5 055 8700964
OM4時代にメインレンズです。ほとんどこれ一本で撮影していたようなものです。20年くらい前に新品で買ったのですが、オリンパス純正の90mmF2の半額くらいだったような気がします。当時から安い割りに良く写るとの評判でした。

最初はマクロ撮影がしたくて買ったのですが、90mmという焦点距離は一般の撮影にも大変使いやすく、結局何でもこれで撮ることになってしまいました。


単体では0.5倍まで。専用のエクステンダーを使うと等倍まで撮影できます。エクステンダーはほとんど使ったことがありませんが。


0.5倍の時はこれくらいレンズが伸びます。このレンズはVivitarからパテントを買ってデザインだけ変えて発売したらしいです。
Vivitar 90mm http://homepage3.nifty.com/3rdpartylens-om/vivitar90macro-s1.htm

EOS10Dを買った時に試して見たのですが、ヘリコイドの繰り出し量が大きく不便だったのでお蔵入りしていました。5Dで再度試したいと思います。


2006.10.2 Zuiko 21mm F3.5

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 21mm 1:3.5 118629 Japan
20年ほど前にオリンパスOM4を使っていたときに気に入っていた一本です。当時広角は35mmまでしか持っておらず、中古屋でファインダーを覗いてみたら、ものすごい広角なので感激して買ったのでした。超広角の割りにずいぶん小さくて安いなと思った覚えがあります。細かく言えば21mmF2より性能が落ちるのでしょうが、当時は絞って使うことが多く、六つ切りくらいまでしか引き伸ばさなかったので、問題になりませんでした。


レンズ構成は7群7枚で、ディスタゴン18mmF4から3枚抜いたような格好をしています。オリンパスOMレンズの詳しい解説は次のページにあります。  http://www.star.ucl.ac.uk/~rwesson/eSIF/om-sif/lensgroup.htm

EOS10Dを買った時に、このレンズを使おうと思っていたのですが、ファインダーが悪いせいかピント合わせが難しく断念しました。 10Dでは1.6倍の焦点距離になりますので約35mmの画角でちょうど集合写真に向いていると思ったのですが、 集合写真はピントがはずれると厳しいものがありますし、ピント以外に考えなければいけないことがたくさんあるのでAFにはかないません。 結局EF17-40F4を買ってしまったので、お蔵入りしていました。

ひさしぶりに見ると、その小ささに驚きます。最近は広角レンズを持たなくなったので、非常用に持ってもいいかなと思います。


2006.10.1 アッベ博士の嘆き

”写真鏡玉”の154ページにアッベ博士に嘆きが書かれていますので紹介します。

(ツァイスの補助者たるアベー博士は)”大に硝子製造の改良を促したり。然れども當時の硝子製造業者は無頓着にして少しも舊套(きゅうとう)を脱すること能はず、只従前の方法に従ひ、屈折力と分解力と相伴ふものを比重別けして販賣するのみにて、更らに博士の説に耳を傾くるもの無りければ、遂に謹厳なる博士をして、現時の光學用硝子鏡玉製造には用をなさヾれども底荷(バラスト)に用ゆるには甚だ重寶(ちょうほう)至極なり、との皮肉の言を爲さしむるに至れり。”

注: 舊套(きゅうとう)の意味ははっきり分からないのですが、多分古い悪習というような意味だと思います。

”是則ち後にエナ硝子製造所の主任となりしショットにして、アッベ博士と相圖りてウイッテンに一の小き製造所を起せり、時に千八百七十七年なり。”
この後、アッベ博士はショットと共同でイエナに硝子工場を建設することになります。

キングズレークの写真レンズの歴史では1880年頃になっています。
小倉敏布氏の”写真レンズの基礎と発展”では19世紀の終わり(1890年前後)になって、一連の新しい光学ガラスが開拓された”とあります。
何かはっきりしないので、写真工業6月号の”カール・ツァイス・レンズの歴史” (小池恒裕氏)を見ると次のようになっています。
1879年 ショット、新しいガラスの見本をアッベに提示、光学ガラスの共同技術研究開始
1882年 ツァイス、アッベ、ショットの3人でヴァイマルにガラス実験室を設置
1884年 ショット、アッベの協力でイエナ・ガラス工場ショット・ゲノッセンを設立、イエナ・ガラスの創業
1886年 新種ガラス(イエナのアッベとショット、異なる屈折率の光学ガラス製造に成功、44種のガラス・カタログ発行)

時に千八百七十七年なりというのは、ちょっと早いような気もします。


2006.9.30 クックのトリプレットは当初4枚玉?

”写真鏡玉”を読んでいたら173ページにクックのトリプレットは当初中玉が張り合わせの4枚玉であったと書いてあります。これは知りませんでした。ちょっと引用します。

”英國のテーラア會社は千八百九十三年一の新アナスチグマットを設計し専賣を出願し、同九十五年の再出願にて之を改良せり、是クーク鏡玉(Cook)として知られたるものなり。 (中略) 此時に當て獨りテーラア氏は潜心全くの他の方面よりアナスチグマットの苦心すること多年、其結果として分離せる二個の凸鏡玉と一組の凹鏡玉を用いて、互に其缺點を補ふ方法に成効し、クーク鏡玉を作れり。此鏡玉は四枚より成り、其二個は凸鏡玉の單獨なるものにして前後に在り、一個は凸凹の合せ玉より成りて其中間に在りて、絞は其後方に密接して置かるるなり。此中間の鏡玉は千八百九十五年に一枚玉に改めらる。”

面白いところなので、もうちょっと引用したいところですが、旧字体が多いので打ち込みに時間がかかります。かな漢字変換では出てこないので、旧字体はほとんど”IMEパッド-手書き”で入力するよりないです。四枚玉のクックのトリプレットを一度使ってみたいものです。しかし、1985年に初めて市場に出たと書いてあるので、改良前の四枚玉は数が極端に少なそうです。最初に市場に出たものは第三類F6,5で、五吋および六吋だったようです。


2006.9.29 通販の英語 3 Please visit

文例3: Please visit my wab page http://www.ksmt.com
ksmt.comを見てね。 

せっかく英語のホームページを一生懸命作っているので、自己紹介の代わりにこんなことを書いています。私は結構詳しいんだよ、だまされないよと言っているわけです。”以前からいつも見ているよ。いいサイトだね。”なんて返事が返って来た時は、うれしくなって速攻で注文してしまいました。これは自分のしかけた罠に自分ではまっていますね。向こうの思う壺です。一度も見たことがなくても、営業なら普通そう答えるしかないですね。今気付きました。これは失敗文例ですね。


2006.9.28 通販の英語 2 Can you ship

文例2: Can you ship it to Japan ?
日本に送れますか?

送れる地域が書いていない場合は、聞いてみましょう。海外のカメラ屋にとって日本人はいい客ですので、まず間違いなく送ってくれます。郵便局のやっているEMSが安いのでよく使われます。送料は3000円くらいでしょう。Webで荷物の追跡ができますが、一日に一回しか更新されません。FedExは高いのですが、速くて荷物の追跡も優れています。追加料金を払えばFedExでも送れるよという店が多いのではないでしょうか。


2006.9.27 通販の英語 1 I'd like to buy

最近何度か海外からネット通販でレンズを買いました。できれば国内のカメラ屋さんで買いたいのですが、欲しいもの海外でしか見つからない場合が多く、海外のネット通販に頼らざるを得ない状況です。幸い今まで大したトラブルもなく取引できています。一番の問題は英語でのコミュニケーションです。新品なら買い物かごに放り込むだけでいい場合も多いのですが、中古となると、いろいろと問い合わせが発生します。やはり十分に問い合わせをして、その回答に納得してから購入したいものです。海外の場合、時差の関係で電話よりメールでのやりとりがどうしても多くなります。普段英語で仕事をしている私でも、カメラの用語が分からず困ることが多いです。

これからネット通販で海外から中古レンズを購入される方も多いと思いますので、私の送ったメールの文例を差し支えない範囲で説明してみようと思います。間違いも多いと思いますが、とりあえず通じていますので、気にしないで下さい。たいがいの場合は簡単な英語で済みます。

文例1: I'd like to buy a lens I found in your web page. http://www.....
あなたのWebで見つけたレンズを買いたいのですが。

とりあえず問い合わせだけする場合でも、一応買う気があることを伝えた方がいいでしょう。私は時々ひやかしのメールも打ちますが、普通は外国にメールを打つ時点で買うことを決めているわけですから、I'd like to...ではなくI decided to...の方がいいかもしれません。これだと商談中には他の人に売りにくくなり、お取り置き効果があるかもしれません。意味的にはwould likeでもwantでもdecidedでもほとんど変わらないでしょう。多分向こうは日本からメールが来た時点で、よほどの問題がなければ買ってくれると思っているでしょうから。まあ、最初は丁寧であいまいなwould likeがいいと思います。直訳すると、好きかも知れない。日本語でも同じですね。好きかも知れないということは条件が合えば是非獲得したいという意味合いが強いですよね。


2006.9.26 国立国会図書館近代デジタルライブラリー”写真鏡玉”

6月10日の日記において 小西本店 六櫻社 鏡玉と暗箱 が優れた資料であるが作者が不明と書きましたが、寺崎さんであることが分かりました。寺崎さんに教えて頂いたのですが、 ”写真鏡玉(しゃしんれんず)”(藤井光蔵・藤井龍蔵合著、浅沼商会、明治41年発行 という非常にすぐれた資料あります。 国立国会図書館近代デジタルライブラリーで”写真鏡玉”で検索すれば誰でも簡単にWebで閲覧することができます。 国会図書館もなかなかやりますね。ざっと読んでみましたが、レンズの歴史を知る上で役に立つ資料であると同時に 、明治41年(1908)の写真技術の状況が良く分かって大変面白い本でした。

特に興味深かったのは、226ページの ”アイソスチグマール鏡玉は昨年始めて現はれたるものにて”  との部分です。明治41年ではベックの アイソスチグマーが最新式だったようで、絶賛していました。私が今年買った値段は1,600円だったのですが、 大変よく写りました。やっぱり優秀なレンズだったんですね。レンズの場合も他のものと同じで実力よりもブランドの 人気度が価格に大きく影響するようです。


2006.9.25 QTVRで空が低いとは?

http://www.ksmt.com/panorama/060923enoden/060923enoden.htm で、空が低くなってしまったと書いたのですが、分かりにくいと思いますので解説します。


分かりやすいようにおおげさに書いてあります。空のレイヤーが暗いので、空のレイヤーから地上建造物を消すと、白くなって不自然です。そこで、空のレイヤーを少し下に引き伸ばしてみました。

引き伸ばすとこんな感じになります。これで地上のスカイラインに合わせて空を消してしまえば、継ぎ目は目立ちません。しかし、副作用として、空が低くなってしまいました。東京ドームの天井に雲を書いたような、妙な空です。


2006.9.24 Making wwp906 Transportation "Dream in a train"

"Transportation" sounds like "speed" or "move" for me. I made a blurred QTVR last year which would be good for this purpose. It's actually very easy, but I need some "emotion" to make it effective. So, I added a passenger in the train. Let me explain how I made the blurred QTVR.
輸送というテーマからスピードまたは動きを表現したいと考えました。これには去年試した流し撮りQTVRが良いのではないかと思います。去年のものにちょっと感情をいれてやらば行けるのではないかと。そこで、乗客を加えることにしました。そのQTVRの作り方の解説です。

1. Take some pictures using Sigma 8mm, handheld. 1/30 - 1/15 sec would be OK.
円周魚眼で流し撮り。1/30 から1/15秒あたりのシャッタースピードが良さそうです。

Swing your camera chasing the train. 江ノ電の流し撮り。


Chasing bicycle. 自転車の流し撮り。


Chasing a moter cycle. バイクの流し撮り。


Ground by tunring your camera. 地面の流し撮り。カメラを回転させます。


Top by turning your camera. 空の流し撮り。こちらももちろん回転。


And a passenger. I used CANON EF300mm F4L IS USM for this picture. It's almost impossible to take this type of picture using Fisheye.
乗客の撮影。円周魚眼ではどうしても見上げる角度になり、空の反射が避けられません。そこで今回は遠くから300mmで撮影しました。


Stitch as usual. I used PTGui + PanoramaTools. 普通にスティッチ。私はPTGui + PanoramaTools使用。


Put the passenger inside the window using Photoshop. 乗客の合成。


Convert to cubic faces and fix some minor issues. 6面体に変換後微調整。QTVRに変換して完成です。


2006.9.23 Ica Litonar

Ica Doppel-Anastigmat "Litonar" 1:4,5 10,5cm Nr. 660805

Icaのリトナーです。メニスカス4枚玉です。どうやらMaximarの10,5cm版のようです。

シャッターも一応動きます。


刻印が読みにくいので拡大。


ネジかSEIKO 0番と同じです。


ここまでしか分解できません。割と光学系はきれいです。


EOSに取り付けたところ。以前作ったアダプタが使えたので、工作の必要はありませんでした。


2006.9.22 革張りのレンズ

レンズ自体に皮が使ってあるレンズはめずらしいのではないかとビオメターのところで書きましたが、敬老の日にWebを見ていたら次のような革張りのレンズが見つかりました。戦後の一時期はやったのかもしれませんね。
AGFA COLOR-TELINAR 1:4.5/180
Voigtlander for M42 mount 200mm/4 Color-Dynarex

ところで、実際の日付より日記の方が日付が進んでいますが、気にしないで下さい。一日に2つのことを書くと後でわからなくなるので、内容1個につき1日を割り当てているだけですので。


2006.9.21 四十肩・五十肩快方に向かう

だいぶ痛みはおさまってきたのですが、念のため医者に見てもらいました。ちょっと腕を上げて見てと言われて上げてみると、昨日まで痛くて全く上がらなかった左腕が上まで上がるではありませんか。ちょっと拍子抜け。ほぼ自然治癒ですね。レントゲンを撮っても異常なし。急性左肩関節炎との診断。左肩は全く使っていないのに何で関節炎になるんでしょうと聞いたところ、本人が意識しないところで使っているんだよとの回答。しばらく左肩を安静にしておくようにとのことでした。

数日で治れば結果的に急性関節炎。長引けば四十肩と呼ぶようです。今は四十肩ではないが、ちゃんと直さないと四十肩に移行しますよと言われました。右利きの人は反対の左肩が四十肩になりやすいそうです。また、筋力の衰えとは直接は関係ないとのこと。レントゲンで関節に石灰の沈着が見られれば重症らしいのですが、この場合でも注射が劇的に効くので心配ないとのこと。

痛みとしては腱鞘炎の痛みと同じですね。動かすと鋭い痛みが走りますので、怖くて動かせないです。注射で簡単に痛みが取れる場合が多いようですので、我慢しないで早めに医者に見てもらった方がいいです。

私が行く形成外科医は面白い人で、趣味は手術です。日曜日にも手術をしています。このあたりの形成外科では一番手術がうまいとの評判です。以前手首のガングリオンを切除してもらった後、痛みもなく、傷跡も残らなかったので、その後も何かあると行くようになりました。何より言っていることが分かりやすい。


2006.9.20 ズイコー マクロ 50mm 3,5の構造

”写真レンズの基礎と発展”(小倉敏布、朝日ソノラマ)にズイコー マクロ 50mm 3,5の構造が出ていました。レンズの型としては4群5枚のビオメタールまたはクセノタール型ですが、マクロ撮影時の収差補正に3群が独立して動くようです。前後にヘリコイドが伸びるのはこのためだったようです。普通のレンズに比べてマクロ域でピントが合わせやすいのは、そのせいだったようです。

ズイコーマクロの隣にビビターマクロ90mmF2.5の構造が出ています。これはTokina AT-X 90mm F2.5マクロと同じもののようです。このレンズは20年程前にOM4を使っていた頃のメインレンズで、押入れにあると思います。なかなか優れたレンズのようですので、そのうち引っ張り出してみたいと思います。


2006.9.19 四十肩・五十肩

以前から左肩を回すと痛かったのですが、ついに本日左肩が痛くて全く回らなくなりました。どうやら四十肩または五十肩のようです。いやぁ、それにしても痛いですね。じっとしていると大丈夫なのですが、ちょっとでも肩を動かすと痛くて痛くて。ちょっと調べたところ、原因は老化という以外は分かっていないそうです。四十肩と五十肩の違いはよく分かりません。同じもののようです。江戸時代には長寿病と呼ばれたそうです。50歳は既に長寿だったのでしょう。英語ではFrozen Shoulder。日本人だけではないようです。


2006.9.18 ZUIKO MACRO 50mm 3.5

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm 1:3,5 252212

私のホームページに掲載するレンズの写真は全部このレンズで撮影しています。昔はキヤノンのEF 17-40F4Lを使ってAFで撮影していました。EOS 10Dだと結構マクロが効いて、ちゃんとピントが合ったときの描写はすばらしいです。しかし、AFでもMFでも、なぜかさっぱりピントが合いません。EF 100mmマクロを買おうかなと思ったのですが、AFが合わない、重すぎる、焦点距離が長すぎるなどの理由により止めました。家にあった唯一の50mmマクロであるこのレンズをマウントアダプタ経由で試してみたところ、びしびしピントが来ます。理由は分かりません。昔OM4を使っていた頃には全く出番がなかったこのレンズですが、なぜかキヤノンのデジタルでメインレンズに昇格しました。

キヤノンでOMのレンズを使う場合、開放絞り以外ではプレビューボタンを押しながらシャッターを押します。このレンズは開放がF3.5と暗いので、開放でもマクロ撮影できるので助かります。普通はF5.6かF8で使っていますので、F3.5より明るいマクロレンズは要らないですね。それに、レンズが奥に引っ込んでいるので、フードがなくても全く問題ありません。

前と後ろにヘリコイドが同時に延びて、レンズの繰り出し量を確保しています。このため、大変コンパクトなレンズです。片手で写すことも多いので、軽くて小さいのは助かります。ストロボが結構重いので、レンズも重いと片手では持ちきれません。


2006.9.17 G.ZUIKO 50mm 1.4

OLYMPUS OM-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 1:1,4 f=50mm 666725

クラシックレンズは全部紹介してしまったので、押入れのオリンパスのOM用ZUIKOレンズを紹介したいと思います。

これは割と最近ジャンクで買った激安50mm 1.4。 G.ZUIKOと書いてありますので7枚玉ですね。多分1980年頃のものです。レンズが曇っているのでジャンクだと書いてあったのですが、私には曇っているようには見えません。傷もなく立派なものです。


外観もまずまず。後玉は結構大きいです。


開放で接写してみると(接写といっても最短45cmですが)、ものすごく光がにじみます。


開放では激しく周辺光量落ちします。F2.8かF4まで絞らないと十分な周辺光量は得られないようです。


ピクセル等倍。光が滲んでソフトレンズのようです。大昔のダブルガウス系のレンズと同じ傾向ですね。開放では高次の収差がかなり残っているようです。なかなか面白いので、ちょっと使って見ようかと思います。


2006.9.16 Sonnar 4/135

Carl Zeiss Jena Sonnar 4/135 4875893

ジャンクの激安ゾナー(エキザクタマウント)をEOSに移植。市販のマウントアダプタでは多分無限遠が出ないか、またはミラーと干渉しますので、思い切ってエキザクタマウントを切断し、EOSマウントを接着することにしました。


このレンズ、前玉に少し曇りがあるので激安なのですが、写りに影響があるとは思えません。値段はマウントアダプタの1/5(高いマウントアダプタなら1/10)です。自分で直接改造すれば千円でお釣りがきます。


外観はきれいではありませんが、大きな傷はなくいい感じで古びています。


改造の前に分解してみましょう。コンパスで後ろのネジをはずすとヘリコイドが簡単に取り外せます。


後玉は半単に外せますが、絞りから前の部分はどうしても分解できませんでした。従って前玉の内側の曇りは取れません。


最初は実絞りのレンズかと思ったのですが、プリセット絞りでした。絞り輪を押しながら希望の絞り値まで回すと、絞りがセットされます。どうやらプリセット絞り機構が複雑なので外せないようにしてあるようです。


ジャンクのレンズから取り外したEOSマウント2種です。左がキヤノン製。右がシグマ製。フランジバック的にはシグマがぴったりなのですが、ちょうどマウントの角とレンズの角がぶつかってしまい、瞬間接着剤では強度が得られません。フランジバック的にはレンズが奥に入りすぎる(つまり無限遠より先までピントが合ってしまう)のですが、一番内側の段までレンズがすっぽり入って接着しやすいキヤノンのマウントを使うことにしました。


左がキヤノン製のマウントをかぶせたところ。ちょっと奥まで入りすぎ。右はシグマ製のEOSマウント。マウントの内側かまたはレンズの外側を削らないと接着面積が得られません。これはあまりに難しいのでキヤノン製を選択。どちらの場合でも、確実に5Dのミラーとぶつかります。


ノコギリでエキザクタマウントを切断。柔らかい金属ですので、簡単に切れます。


マウントを瞬間接着剤で取り付け、切断面をマジックで黒く塗れば出来上がり。十分な強度が得られました。外したいときには金槌一撃で外れます。瞬間接着剤はゆっくりの力には強いのですが、衝撃には弱い点を利用。


あっという間に完成。1mmほど内側に入りすぎているので、15mの指標のところで、無限遠になっていました。私は無限遠より先があった方が好きなので、これで特にもんだいありません。その分近接撮影ができませんが、元々1.2mなのが1.3mくらいになるだけですので、事実上無視できます。


開放での試写。全く問題なし。


ピクセル等倍です。これだけ写れば十分です。


コーティングがかかっているので、逆光でも問題なし。期待通りの写りです。


2006.9.11 Biometarの色

Biometar 120mmで撮った写真の色が何となく青いような気がします。それに比べてエルノスターは黄色いような気がします。多分先入観だと思いますので、念のため色の比較をしてみました。手近にあったプリモプラン 58mm F1.9 (M42)もあったので、これも加えてみました。条件はすべてEOS 5D, ISO100, F2.8, 1/6000秒, 太陽光。

全体の比較。
ビオメター 120mm F2.8

エルノスター 100mm F2.0

プリモプラン 58mm F1.9
僅かに露出が違うようですが、色はだいたい同じように見えます。プリモプランだけは35mm用のため、F2.8では周辺光量がかなり落ちています。


中央部拡大
ビオメター

エルノスター

プリモプラン
ビオメターだけが開放絞りですが、なかなか立派な解像力。若干初期プラナーのようなにじみが見えますが、実質上問題ないでしょう。エルノスターとプリモプランは開放から一段絞っていますので、問題ありません。


周辺部:
ビオメター

エルノスター

プリモプラン
これは今回の比較とは関係ないのですが、周辺の画質はモロに違います。ビオメターは中心と変わず優秀。エルノスターはまずまず。プリモプランは流れまくりという結果でした。やはりレンズの大きさの違い、すなわちイメージサークルの違いがそのまま効いています。プリモプランは画質より小型化を優先したものと思われます。持ち運びやすさという点においては、プリモプランの圧勝ですので。


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