EOS10D日記その11

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2006年8月19日 写真レンズのシリアルナンバーまとめ

夏休みの自由研究として、写真レンズのシリアルナンバーをメーカー毎にプロットしてみました。今まで別々に覚えたクラシックレンズの知識がまとまって、なかなか面白い宿題でした。誰に頼まれたわけでもなく、どこに提出する訳でもないのですが。そもそも今年は夏休みがなかったので、夏休みの自由研究というのはおかしいのですが。詳細はこちらをご覧下さい


2006年8月15日 NIKKOR-Q 135mm

NIKKOR-Q Auto 1:3.5 f=135mm Nippon Kogaku Japan No.754836
きれいなのにとても安かったし、NIKONではなくNippon Kogakuと書いてあったので、何となく買ってきたNIKKOR-Q 135mm 3.5ですが、
http://www.mir.com.my/rb/photography/companies/nikon/nikkoresources/6070nikkor/telephoto/135mm.htm
をみると、見慣れないレンズ構成ですね。歴史書には出てこない変な型ですね。私はニコンはもとより、戦後のレンズの構成についてはほとんど知らないので、ちょっと驚きました。強いて言えば、エルノスター方の変形でしょうか。135mm 2.8の方は4群4枚でエルノスターにより近い感じです。1959年(昭和34年)にNikon Fと一緒に発売されたようです。

EOS 5Dにはマウントアダプタを介して簡単に取り付けられました。外観は安っぽい(失礼、この時代の流行かも)し、わずか3群4枚ですが、ずいぶんシャープなレンズのようです。
 
Qの意味は分かりません。


デザインのポイントは銀色の部分が多いことと、カラフルな刻印です。軽さを強調する狙いでしょうか。


2006年8月13日 ksmt.com 5x7 inch special digital back 初使用

8月7日にksmt.com 5x7 inch special digital back をはじめて使ってみました。この日は天気が良かったので、近所の丘から富士山を遠望。http://www.ksmt.com/panorama/060813domi-fuji/060813domi-fuji.htm
5x7 inchをカバーするため、EOS5Dで横7枚x縦8枚の56枚構成で撮影したのですが、スティッチする時間がとれず、やむなく中心付近の9枚で6x9cmのフィルム分だけスティッチ。本来はPTGuiで自動合成する予定でしたが、まだワークフローが確立しておらず、Photoshopでの手作業です。9枚なら慣れれば30分ほどでスティッチできそうです。

6543 x 4400ピクセルの巨大画像(約1MB)を掲載しましたので、解像度をご覧下さい。Cooke 330mmF8はジャンクとして売られていた安いレンズですが、十分満足できる解像度です。5x7inchをEOS 5Dでフルに使って3億2千万画素でピクセル等倍まで解像させることもできそうな感じです。F64まで絞って試してみたのですが、さすがにブレブレでだめでした。カメラシステムがあまりにも大きくて重いので、今は軽いカーボン三脚を使っているのですが、もっとデカい三脚を使わないとだめですね。ベルボンのマーク7があるのですが、パン棒の長い雲台は使えないので、でかいボールヘッド雲台の安いのを探そうかと思っています。


2006年8月12日 ISOSTIGMARは思ったより良く写る

http://www.ksmt.com/panorama/060812life/060812life.htm に作例を掲載しました。思ったよりよく写ります。
http://mysite.wanadoo-members.co.uk/kevins_pages/k01.html を見ると、コダックのカメラにテッサーやダゴールを並んでIsostigmarが使われていたことが分かります。当時は優秀なレンズと評価されていたのではないでしょうか。今では知る人も少なく、極端に安く買うことができました。


2006年8月6日 葉山撮影会

既に http://www.ksmt.com/panorama/060806hayama/060806hayama.htm に書いてしまったのですが、いくつか補足。
・炎天下ではデジカメの液晶はよく見えないので露出はヒストグラムが頼りなのですが、それでも顔にうまく露出を合わせるのは難しいですね。Dallmeyer 3Dの露出は合っていたのですが、他のはちょっと明るすぎたようです。
・コーティングのない古いレンズでは、フードも重要なのですが、空などの明るいものを入れない方がいいようです。太陽が真上にあるので、カメラを上に向けると逆行になり、ただでさえ低いコントラストがさらに低くなります。レンズを下に向けるとすべて順光になり、不要な光がレンズに入らなくなるのでコントラストが向上するようです。
・モデルさんのアップばかりではなく全身の写った引きの写真も撮っておくべきですね。私だけの事情ですが、QTVRに合成するときに傘が切れている写真ばかりで、困りました。http://www.ksmt.com/panorama/060806hayama_q/060806hayama_q.htm
・この撮影会はモデルさんの前にカメラマンが群がることがなかったので近くから自由に撮影できましたが、混雑する撮影会では大きな脚立を持っていって遠くの上から撮影した方がよいとのアドバイスがありました。確かにそうだと思います。特に古いレンズの場合には。


2006年8月5日 R&J BECK ISOSTIGMAR

R&J. BECK PATENT 871559 9.5 IN ISOSTIGMAR f 6.5 No 113434
貼り合わせのないダブルガウスの4枚玉に対してBECKが面白い改良をしています。真ん中に一枚凹レンズ(ほとんど平面で屈折力は非常に弱そうです)を入れるというユニークなものです。結果的に5群5枚になります。

刻印の色が褐色なので、ストロボ直射で撮影。普段はバウンスなのですが、バウンスでは字が読みにくい。


ヤフオクでたったの1600円でゲット。全く人気がないようです。送られてきた当初はひどく汚れていたのですが、分解は至って簡単で、ゴシゴシ拭いたらだいぶきれいになりました。


1908と手書きで書いてあり、どうやらこれが製造年のようです。コダック関連のホームページを見ても1908年(明治41年)に大量に作られているようですので、間違いないと思います。


絞り羽根が18枚もあるのですが、絞り輪が固くて、どうしてもF8より開けることができません。ベンジンで洗ったり、ミシン油で洗ったり、色々試みましたが、どうしてもF8が限界です。2時間ほど試行錯誤したあげく、分かったのは絞り羽根が波打っていて、18枚を重ねるのはどうしても無理ということです。でも、どうしても絞り開放のテストがしたい。何度か万力で絞りをこじ開けるうちに、一枚絞り羽根が脱落。でも、一枚落ちたくらいでは、何の影響もありません。そうだ、もっと絞り羽根の数を間引けばF6.5まで開けられるはず。と思い、ペンチで8枚羽目をむしりとったのでした。結果、右の写真のように、見事に開放に成功したのでした。ところが、、、


当たり前のことですが、絞るとスカスカです。8枚も羽根を間引けば当然ですよね。結局F8-F32のレンズがF6.5-F8のレンズに変わっただけでした。修理したというより、壊したと言う方が正しいかもしれません。いずれにしろ、これでテストの準備完了。試写結果は後で報告しますが、案外良く写ります。ダブルガウスにありがちなフレアをうまく逃がしており、十分実用に耐えるようです。


2006年8月1日 Domiplan

Domiplan 2.8/50 Mayer-Optik Gorlitz 3921794 (M42)
ジャンクの棚に1,050円の値札を貼られてひっそりと佇むM42のDomiplanを発見したので、救出。外観はあまりよくありませんが、光学系も絞りもヘリコイドも特に問題なし。Domiplanは開放ではよく写らないらしいので、楽しみです。

もともと安いトリプレットレンズだと思われますが、それにしても1,050円は可哀そうなんじゃないのと思う次第です。


アダプタを介してEOSにとりつけるとそれなりの格好になります。


元はマウント面が全面的に銀色でフレアが出そうだったので、マジックで黒く塗りました。右はマウントアダプタを取り付けたところ。


2006年7月28日 Trioplan 1:3.5/210

Meyer-Optik Gorlitz 1215832 Trioplan 1:3.5/210 V
品川で仕事だったので、久しぶりに品川のカメラ屋に寄りました。実験用の棚で、でかくて軽くてピカピカのトリオプランを発見。

多少曇っていますが、レンズに傷はなく、大変きれいなレンズでした。赤でVと書いてあるのですが、意味は分かりません。


ネジが78mmもある大きなレンズですが、レンズが3枚なので軽い。


一番左はフードです。どんなカメラについていたのかは不明。多分5x7inchの暗箱?


分解および清掃は至って簡単です。曇りは簡単に拭き取れたのですが、その代わり拭き傷がたくさんついてしまいました。後玉の前面だけは非常に柔らかく、拭いた後が全部残ります。昔の弱い単層コーティングなのかもしれません。一番前と後の面以外は触らない方が無難でしょう。こんなに傷つきやすいレンズは初めてです。


暫定マウント。多分良く写ると思います


2006年7月27日 リンカイオスコープ

EXTRA-RAPID-LYNKEIOSKOP Serie C No. 5 C.P GOERZ BERLIN No. 100600
ゲルツの年表を見ると1903年(明治36年)の製作だと思われます。このときには既にダゴール(この時はまだDOPPEL ANASTIGMAT、1904年にダゴールと改名)を販売していましたので、このレンズはラピッドレクチリニアとしては新しい方ですね。リンカイオスコープはゲルツのカール・モーザーによる傑作とのことですので楽しみです。

色はもっと薄くて黄色いのですが、写真では濃く赤く写ってしまいます。EOS 5Dだとストロボの補正が+2までしかできないので、これ以上明るくできません。せめて+3まであると助かるのですが。ヤフオクで買ったのですが、思ったよりきれいなレンズでした。


鏡胴に字がたくさん刻印されています。古いレンズはこうでなくちゃという感じですが、一枚の写真ではうまく写せません。ネジは68mmほど。最近はこのくらいの大きさには慣れました。


構成は普通のラピッドレクチリニアです。分解・清掃は至って簡単。


焦点距離は300mmくらいでしょうか。いつものようにフード+瞬間接着剤+ガムテープによる暫定マウントを製作。


2006年7月26日 ERNOSTAR 1:2 f=10cm

Ernemann Anastigmat "ERNOSTAR" 1:2 f=10cm 151022 D.R.P
注文していたエルノスターがやっと届きました。アメリカからEMSで送ってもらったのですが、週末を挟んだためか、税関で4日ほどかかり、合計8日かかって到着。税金は思ったより安かったです。

ここのカメラ屋さんはエルノスターの在庫が合計6本もあり、105mm1.8, 125mm1.8もそんなに値段が違わないため、結構悩みました。カメラ屋にどれがシャープか聞いたら、F2の方が良いとの回答だったので、安全そうな100mmF2に決定。このレンズはニコンマウントに改造してあります。


刻印面に角度がついているため、真正面からは刻印を撮影しにくい。F2のエルノスターは1923年(大正12年)頃、エルネマン社のベルテレによって開発され、小型のエルマノックスカメラにつけて販売されました。翌年、さらにF1.8まで明るくしています。F2のレンズとしては3年前の1920年にテイーホブソンのリーが開発したオピックがありますが、エルノスターの方が売れ行きが良かったそうです。エルマノックスカメラと一体で販売されたエルノスターは、今でも購買意欲をそそります。


ニコンマウントです。まずますきれいに仕上げてあります。


近代のマウントアダプタでEOSに変換。


10Dに取り付けるとこんな感じ。ヘリコイドはオリジナルのままです。ぐるぐるまわしてピント合わせ。(岸本式袋蛇腹は直進式?曲進式?なので、ヘリコイドをまわすのに慣れていません。) エルノスターのついていたカメラはエルマノックスといいますが、つい最近までエルノマックスだとばかり思っていました。


ERNOSTARの文字は、下からじゃないと見えません。


2006年7月22日 梅雨明けは遠い・岸本式蛇腹

梅雨明けには少なくとも後一週間はかかりそうです。文句を言ってもしかたないので、梅雨を楽しむべきなのでしょう。撮影に行く気にもならないし、工作のネタもないし、のんびりしろということですね。エルノスターはまだ到着しません。Webで調べると、まだ成田の税関にあるようです。

岸本レンズのベローズを売ってくれというメールがアメリカから来ていましたが、売り物ではないので自分で作ることをすすめました。Mamiya 100mm 2.8を持っている人でしたので、ここからサーチしてきたのだと思います。岸本レンズの作り方は至って簡単なので、デジタルカメラマガジンに掲載された記事を英訳しておきました。
http://www.ksmt.com/dcm-bellows/dcm-bellows_e.htm
日本語のページは以前からあったのですが見つけるのが難しいので、英語版をトップページにリンクしました。

新藤さん命名の”岸本レンズ”ですが、レンズではなく袋蛇腹兼マウントアダプタですので、何か的を得た名前を考えたいと思います。古典的な命名方では、”岸本式蛇腹”でしょうか。八木式とかオギノ式みたいでかっこいいと言えなくもない?


2006年7月15日 ニコン-EOSマウントアダプタ購入

ニコンマウントに改造されたエルノスター 100/2の購入を決意し、マウントアダプタhttp://www.kindai-inc.co.jp/mount_nikeos.htmを購入。一眼レフ用の改造はバックフォーカスが長いニコンFまたはM42が多いようです。これらのマウントに改造しておけば、市販のアダプタを介してだいたいの一眼レフに装着することができます。改造前のレンズの方が当然安い。普通はそちらを買って自分でマウント改造をするのですが、今回は専門家の改造を見てみたくて改造済みのものを買ってみました。最近は横浜の量販店にもマウントアダプタが置いてあるので助かります。


2006年7月14日 写真の歴史入門 第二部 創造

第一部が面白かったので、”写真の歴史入門 第二部 創造” (新潮社、藤村里美著、東京都写真美術館監修)も買ってみました。明治中期の乾板の時代から昭和初期までの写真の歴史なのですが、予想通り平凡です。この間にロールフィルムの開発など、技術的に大きな進歩があり、誰でも写真を撮影できるようになりました。一般の人が写真を撮れるというのは大きな進歩なのですが、歴史書では詳しくは書けません。書いてあるのは写真家または写真愛好家のことだけです。写真は芸術や趣味として扱われます。これは”生きた証”などより動機として弱いので、感動もないのだと思います。本自体は良くできているのですが、写真がずいぶん弱くなっている。自分の撮った写真でも、そう思います。幼いころの息子とその仲間達を撮った記念写真には、それ自体にものすごい力がありました。ただ写っているだけで良い。それに引き換え、趣味で撮った写真は弱い弱い。


2006年7月13日 写真の歴史入門 第一部 誕生

レンズの歴史の本はかなり読みましたので、ちょっと写真の歴史でも読んでみるかと思い”写真の歴史入門 第一部 誕生”(新潮社、三井圭司著、東京都写真美術館監修)を買ってみました。写真の誕生から、日本に伝わるまで(明治初期)の間の話です。大変面白く、感動しました。やはり写真が写るということは、ものすごいことなんですね。写真はただ記録をするだけのものなのですが、記録があるとないとでは大違いです。死ぬ前に写真を撮って自分が生きた証を残したい。戦争に行く前に家族と写真を撮りたい。決して行くことができない外国の景色を見たい。国家の誇りである建造物を写真に残したい。戦争の悲惨さを伝えたい。などが実現できるわけですから。写真は銀板または紙ではありますが、過去に遡るタイムマシンであり、瞬時にどこにでも行けるテレポーテーションであるわけですね。


2006年7月10日 日本語BBSのスパム対策成功

遅ればせながら日本語BBSのスパム対策を行いました。結果は上々で、今のところ迷惑な書き込みはありません。kaneko-adさん、ありがとうございました。掲示板荒らしは腹立たしいですね。人手で書き込むならともかく、自動でバンバン書き込んで何が面白いのか分かりません。


2006年7月9日 English BBS閉鎖

English BBSを閉鎖しました。開設以来かなりの月日がたちましたが、まともな書き込みは非常に少なく、バイアグラばかりでした。あまりも荒れてしまい、途中から管理をやめてしまいましたので、全く影響はないと思います。


2006年7月2日 TAYLER-HOBSON 4 inch f/2

TAYLER-HOBSON 4 INCH f/2 COOKE COPYING 741016 M=1
Pat US 2600207
LENS MADE IN ENGLAND BY RANK TAYLOR HOBSON LEICESTER

”写真レンズの歴史”(ルドルフ・キングズレーク著、雄倉保行訳、朝日ソノラマ)によると、(プラナーの)”第1期の流行が終わると、ダブル・ガウス型はしばらく設計者から忘れられていたが、1920年に再び現れ、テーラー・ホブソン社のH.W.リーが一般カメラ用に画角±23度で、F2まで明るくすることに成功した。(中略)このレンズはオピック(Opic)あるいはシリーズOと呼ばれ(略)” とあります。どうしてもこのオピックが欲しくてこの前プラズマットを買ったアメリカの通販業者に聞いたところ、何と何本か在庫があるとのこと。ただし、Opicとは書いておらずCopying M=1と書いてあること。そんなに古いものではなく、コーティングがかかった戦後のものであること。間違いなくOpicだと言うし、割と安かったので、買ってみました。


工業用のレンズらしく、光学系には全く傷がありません。レンズを分解が難しく、残念なのですが、きれいなレンズを分解する必要はないので、そのまま使うことにしました。レンズの直径(鏡胴の内径)は43mmほど。マウントのネジは56mmほど。


レンズの最後尾からフィルムまでの距離(Film Planeと英語では言うようです。テイラーホブソンの1930年代のカタログを見ると、Opicの焦点距離は1 3/8"から5 1/2"までと短いものしかありません。マウント部より後ろの出っ張りが大きく、Film Planeが非常に短そうな感じです。聞いて見るとCopying M=1 4"のFilm Planeは53.125mmであるとの回答があり、EOSのフランジバック44mmとの差は9mmです。分厚いアダプタやヘリコイドは使えませんので、最も原始的な直接蛇腹方式を採用しました。昔(といっても去年ですが)直接蛇腹方式からマウントアダプタ方式に変更したレンズの残骸が一個ありましたので、これに取り付ければ完了。この方式だとレンズのFilm Planeが45mmあれば使えることを、作った後で思い出しました。オリジナルのレンズキャップを2個つけてもらいました。前後で2個です。同じ直径です。


さて、これはなんでしょう? 魚? ペンギン? 宇宙人?


いちじく? 電球?


ゲイラカイト? 正解はCooke f/2をアオッた時のボケでした。ベランダから手持ちでテスト的に撮影した夜景の一部なのですが、最初からこんなへんてこりんなボケが出て、大変満足したのでした。


2006年7月1日 Cambo 5x7用岸本式デジタルバック完成

2006.7.1 ksmt.com special digital back for Cambo 5x7

3週間の歳月と約5千円の制作費(カメラ本体を除く)をかけて5x7 inch(13x18cm)用のデジタルバックが完成しました。カメラは自作をあきらめて、格安で中古のCambo SCIII 5x7inchを購入。Camboの5x7のピントグラスの代わりに取り付けられるようにアダプタを作成しました。

ksmt.com special digital back for Cambo 5x7 is now ready. I spent 3 weeks (weekend only) and aroiund US$50 to complete the system. I can take 5x7 inch pictures using EOS 5D digital camera with 56 shots when I use Cooke 330mm F8.


天気が悪いため、外には持ち出せず、ベランダでテスト。レンズはCooke 330mm F8。リンホフボードに大きな穴を開けてとりつけ、付属のアダプタを介して取り付けました。

Unfortunately, it's raining outside. The System is big and I haven't have a chance to use it outside of my house. I made a Linhof bvoard for Cooke 330mm and mounted via Linhof-Cambo adapter board.


2.5mmのベニヤ板でCambo用のアダプタを作成。ワンタッチでCamboに取り付けられます。

Thin plywood board (2.5mm) is very easy to cut. Cambo 5x7 is good system for this kind of application because it's light weight and simple. I can easily replace a film back and the digital back.


Camboのレールは長し、本来のフィルム面より撮像素子が10cmほど後ろに下がっているので、330mmでも蛇腹はこの程度しか伸びません。600mmくらいまでは行けそうです。

The image sensor of EOS 5D is around 10cm backward from film position. Infinite position for the 330mm lens is shown above. Probably, I can use up to 600mm lens.


逆に、フランジの短いレンズのは対応できません。蛇腹を縮めても、200mm以下では無限遠が出ません。

On the othert hand, I cannot use short focal lenght lenses, shorter than 200mm with this system. The picture shows teh shortest position which was too long for Dallmeyer Stigmatic 7.6".


リヤを逆向きにすると、150mmくらいまでは行けそうです。ただし、専用のボードが必要になります。横や下にでっぱりがあると、取り付けられません。

For lenses from 150mm to 200mm, I made another board for reversed rear position. But, rear movement is very limited because of the long bellows. I need a bag bellows to use rear movement.


材料の余りを利用して、短焦点レンズ用のリヤボードを製作。二回目なので、すぐに作れました。

The board is mede of 2.5mm ply wood board, Nikon hood and a EOS mount. It's easy.


Camboの箱。特注の箱に入っていました。これに入っていたので、電車で持ち帰ることができました。Camboは構造が単純で軽いので助かります。それに安い。操作性はあまりよくありませんが、改造のベースとしては最適だと思います。

The Cambo SCIII 5x7 (used) was not expensive at all. It came with a custom light weight box.

 拡大(4704 x 2920ピクセル) Enlarge(4704 x 2920 pixcel)
49枚つなぎの作例です。オリジナルをつなぎ合わせると横方向が14,000ピクセルほどになりますが、大きすぎて扱いきれないため、片方向 1/3、面積でいうと1/9に縮小しました。動く車が入ってしまったので、そこはつながりません。左上に撮影に失敗したところがあります。横の間隔が空きすぎました。細かいところはさておき、これがCooke 330mm F8の5x7での実力を垣間見ることができました。

This is a example with 49 shots (7 row, 7 column). The original image was 14112 x 8760 pixcel. There are some minor issues ine the picture, but I can see the performance of Cooke 330mm F8.


2006年6月30日 プロター I 類は1893年製造

先日購入したCarl Zeiss, Jena No 4475 Anastigmat 1:4,5 F-183mm D.R.P 10569は、Carl Zeiss Jenaで1893年(明治26年)に製造され、Fassg I-Blende Fertigungという会社に製造番号4473 - 4475の3本が納入されたようです。この会社は多分シャッター製造会社と思われ、シャッター開発用にツアイスからレンズを買ったものと推測します。寫楽彩のT-REXさんに調べて頂きました。ありがとうございました。
ツアイスアナスチグマット(プロター) I 類は人物用で、プロターシリーズの中では最も明るいレンズで、1891年に開発されたらしく、このレンズはその2年後のものです。明治26年といえば日清戦争の前年ですね。


2006年6月28日 Carl Zeiss, Jena No 4475 Anastigmat 1:4,5 F-183mm D.R.P 10569

1891年に開発されたアナスチグマット シリーズ I です。D.R.P 10569ですので、後のプロターI類ですね。F4.5は後群がトリプレットの2群5枚構成で、人物用です。1901年のツアイスのカタログからは既に消えていたらしく、短命に終わったようです。シリアルナンバーが4475と若いので購入。

少し傷がありますが、鮮やかな金色の塗装と手彫りの刻印は健在です。絞りは差込み絞りですが、付属していません。作るのは簡単なので、後で作ります。


56109は有名な特許番号なので、プロターだとすぐ分かり、書いてあると助かります。


全部ばらばらになります。全群の玉はきれいで、サイドの黒塗装も全く傷んでいません。それに比べて後群は塗装がほとんどはがれており、傷も多いです。前後でなぜこのような違いが出るのか不明。


前群の厚みは23mmほどあります。厚いです。


ネジの直径は64mmほどで、これはミノルタのフードにぴったり入りました。ガムテープでちょいと止めればアダプタの完成。


長さも63mmほどです。週末に試写してみます。


2006年6月20日 Plasmat Satz 1:4 10-15cm

Hugo Meyer & Co - Corlitz Nr 503222 Plasmat Satz 1:4 10x15cm D.R.P Dr. Rudolph
Plasmatlinse 1:8 F=32cm 503222
Plasmatlinse 1:8 F=27cm 503222
Plasmatlinse 1:8 F=22cm 503222
待望のプラズマットザッツが送られてきました。単体で焦点距離22cm, 27cm, 32cmの3本セットで、2本組み合わせることで、15cm, 16.3cm, 17.5cmの合計6焦点距離となります。単体使用用のダミーレンズ(素通し)と紫色の内張りの木箱付き。ダミーレンズは多分一種のフードだと思われます。

送られてきたままのセット。レンズはかなり汚れていますし、座金(59mmくらい)もありません。そのかわり、安かったのですが。


思ったよりでかいです。ダブルプロターを同じかと思ったのですが、それより少し大きかったです。シャッターに6本分の絞り値が刻印されています・


正面から見たところ。10x15cmというのはどうやらイメージサークルのことのようで、4x5には使えるが5x7は無理と言っているようです。多分。


全部バラバラにしたところ。清掃は至って簡単です。普通にクリーニング液で拭くと、だいたいきれいになりました。


27cmと22cmの刻印は側面だけです。前面には何も書いていません。


シリアルナンバーはすべて同じなので安心しました。


面白いのは1/4回転で閉まるネジです。バヨネットと同じ要領で簡単にレンズの脱着ができます。早く試写してみたいのですが、座金がないのでマウントアダプタ作りが難航しそうです。後玉を交換出来るように作るのは難しいので。


2006年6月18日 自作大判デジタルフィルム
2006.6.18 Hand maid 5x7 inch digital film

先週のダンボール暗箱の実験結果を元に木製の5x7inch大判デジタルフィルムを製作しました。EOS5Dを上下左右にシフトして多数枚撮影し、5x7 inchをカバーしようというものです。市販のレールを使うことも考えたのですが、適当なものが見つからず、結局全部手作りになりました。

Can Digital SLR be used as 5x7 inch digital film ? Yes, you can do it using this simple machine. You should take multiple pictures by using rear shift and stitch into a large image, but you can still enjoy 5x7 large format photo using digital SLR.

 拡大 enlarge
この画像は暫定カメラ(ダンボール製、ピント合わせ機能なし)と1901年製のダゴール120mmで撮影。一応4x5inchまでは余裕でカバーしています。ちょっと焦点距離が短すぎてケラレが大きすぎ、イメージサークルの端を撮影することはできませんでした。やはり前回のように180mm位を使ったほうが良さそうです。カメラ自体は余裕で5x7inchをカバーできるはずです。暗箱の内面を墨で黒く塗ることにより、フレアが防止できたことも収穫。

This picture was taken using my original machine, Goerz Dagor 120mm (1901) and EOS 5D. The stitched picture is larger than 4x5 inches but not cover 5x7 inches. The focal length of Dagor was too short. If I use 180mm or longer, probably this machine can cover 5x7 inches.


カメラを中央に置いたところ。巨大ですが、厚みは5cmしかなく、薄い板状の装置です。縦横2段スライド式です。障子を2重に取り付けたのと同じ形。日本伝統の方式です。
The mechanism is similar to Japanese traditional door, "Shoji" or "Fusuma". Simply slides camera 16cm horizontal and 14cm vertical.


左上に一杯シフトしたところと右下に一杯シフトしたところ。横方向のトラベルは16cm。縦方向は14cm。5Dの撮像素子の大きさを加えて、約19.5cm x 16cmまでカバーできるはずです。
Rear view. Left hand picture shows (0,0). Right hand picture shows (16cm, 14cm) shifted.


レンズをはずした状態で前から見たところ。内面反射を防ぐため、墨で黒く塗りました。
Front view without lens. This was made of plywood board and aluminum rail. Painted using traditional Chinese black ink.


今回はベニヤ板製一体形成ボディーにアルミのレールとカメラマウントをボルトで固定するという確実な方法を採用。その代わり時間がかかりました。2日間で合計10時間ほど。材料費は二千円ほど。
I spent around 10 hours and $20(USD) to make this.


フィルムの相当する部分は一応できたのですが、カメラに相当する部分がまだありません。当初市販の5x7カメラを買う予定だったのですが、せっかくなので、全部手作りししようかと思っています。今日のところはダンボールの空き箱で代用。カメラのフランジバック44mm + 自作部分50mm + 空き箱30mmで124mmなので、ダゴール12cmだと無限遠は出ず、ピンボケです。雨は降るし、日が暮れてきたので10分で暫定空き箱カメラを製作しました。
I don't have camera for this big format yet. I made a tentative camera using a corrugated carton (around 3cm) and Goerz Dagor 120mm (1901) .

雨がやんだので外に持ち出したとたんに、また雨が降り出して撮影中止。木と紙でできているので、雨にはめっぽう弱い。結局ベランダから大急ぎで撮影したのがこの写真です。来週はちゃんとピント合わせのできるカメラを作って、まともな作例を撮影したいと思います。


2006年6月16日 日本切手カタログの表紙をみてびっくり

父の日のプレゼントにいいものがあると言って女房からプレゼント用に包装された本を手渡されました。”さくら日本切手カタログ2007”という本だったのですが、開けてびっくり。私の写真を元にデザインされた切手である”メジロと河津桜”が表紙になっているではありませんか。切手になった経過は日誌”2006年2月5日 ふるさと切手「河津桜」”に書いたのですが、まさか本の表紙になっているとは思いませんでした。女房の友人に切手好きの方がおられて、たまたまWebで発見され、教えて下さったそうです。ありがとうございました。なかなか良い父の日になりそうです。


2006年6月15日 Fujinon 1:1.8/55 (M42)

FUJINON 1:1.8/55 FUJI PHOTO FILM CO. 231847 LENS-JAPAN
特に大きな問題はなさそうなレンズですが、なぜかジャンクとして昼飯2回分くらいの値段で出ていたので、救出してきました。さて、EOSで復活できるのか?

多少拭き傷はありますが、コーティングもきれいで、ほこりもほとんど入っていません。


外観が悪いのでジャンクなのかもしれません。塗装は弱そうです。


開放でちょっと絞り羽根が残ります。自動絞りなので絞りの開閉を軽くせねばならなず、絞りの精度が悪いんだと思います。壊れているというほどではありません。


後玉は簡単にはずれます。前玉はどうやってはずすのか全く分かりません。


M42-EOSのアダプタは問題ありません。連動ピンが邪魔になるのかと思ったのですが、ミラーには当たらない位置なので問題ありません。

ちょっと試写してみたところ、開放でもしっかりピントが来ていました。5Dの液晶で見ると、甘いように見えるのですが、パソコンで見ると問題なさそうでした。


2006年6月11日 デジタル5x7インチ暗箱試作

5x7インチの大型カメラでフィルムの代わりにデジタル一眼レフを使うことができるか? という疑問に対する回答を得るべく、簡単な5x7インチ暗箱を製作しました。但し、カメラは横方向にしか動きませんので、テストできるのは横方向だけです。制作費0円、製作時間約5時間。

結論から言うと、デジタル一眼レフ問題なく5x7インチの画像を得ることができます。暗箱をうまく作れば、当初の計画通り35mmカメラをフィルム面上で移動しながら撮影し、パノラマ合成する方法が使えます。心配していたミラーボックスによるケラレはパノラマ合成後では全く問題になりません。

内面処理を全くしていないので、フレアが出ます。カメラの位置によって、異なる位置にフレアが出るのは困ったものです。合成時に消せるか微妙なところ。特に絞った時ほどフレアが細くはっきりと出ます。

もうひとつの問題は一眼レフのファインダーが使えないことです。リヤシフト量が大きくなると、光が横方向から入るため、ミラーで反射した光はペンタプリズムには全く届きません。従ってファインダーは真っ暗ですので、ファインダーをピントグラスの代わりに使うことは不可能です。しかし、ミラーが上がるとちゃんと撮像素子に光が届くので、実際の撮影では問題ありません。

試作した暗箱:

今回使用したのは奥行き12cmほどのハードディスクの空き箱。5x7の標準レンズは焦点距離18−20cmなのでこんなもんかと。
箱の前に穴を開け、レンズを差し込みます。今回はAristostigmat 7 inchとKollinear 18cmを使用。
箱の横にスリットを開け、ダンボール製のリヤボードが左右に移動できるようにします。
ジャンクのレンズから取ったマウントに適当なメタルフードを接着して、リヤボードにガムテープで取り付けます。
ふたを閉じて暗箱の完成です。


三脚に乗せる為の三脚座を取り付けます。適当なアルミ板に三脚穴を瞬間接着剤でくっつけ、ガムテープで暗箱に貼り付けました。
最後にリヤシフト量のメモリをマジックで書き込みます。実際には左右8cmまでしか移動できませんが、移動距離16cm+撮像素子3.6cmで合計19.6cm。横方向だけですが、十分5x7 inchをカバーします。
最後にカメラを取り付けて準備完了。


三脚に取り付けた姿。三脚座の2mm厚のアルミ板のおかげで、思ったより安定しています。


左右にリヤシフトしたところ。スムーズにシフトできるので、我ながらびっくり。

いよいよ撮影です。カメラを1cmづつ移動して撮影してみました。

Meyer Aristostigmat 7 inch 開放 F9.0

拡大3cm移動した所からケラレがでます。しかし、ケラレた部分は隣の写真で既に撮影した所なので、合成でうまく消せます。


拡大パノラマ合成ソフトは使わず単純にPhotoshopでつないでみたところ。このレンズは開放でも19cm以上のイメージサークルがあることが分かります。このレンズにはもうちょっと大きな暗箱が必要なようです。

Meyer Aristostigmat 7 inch F32

拡大F32まで絞ると、イメージサークルが大きくなるので、周辺光量落ちが改善され、周辺の画質も向上しています。


拡大左のほうにフレアが何本も出ているのが分かります。でも、ダンボール内でフレア対策を全くしていない割には、上出来でした。今日は雨降りで、元々コントラストの低い景色ですので、これだけ写っていれば満足。


2006年6月10日 最近良く見るホームページ

小西本店 六櫻社 鏡玉と暗箱
これはすごいホームページです。頻繁に参考にさせてもらっていますが、どなたが作っておられるページか不明です。先日ウナーを調べたとき、まともな記事があったのはここだけでした。小西六は昭和6年にヘキサー I F4.5を完成するまでは、数多くのレンズを輸入していたようです。

Camera Eccentricのカタログ
大昔のレンズのカタログをスキャンしたものが大量にあって、大変参考になります。今GoerzのCelorを探しているのですが、2 3/4インチから19インチまで焦点距離が13種類もあることが分かります。中古屋さんでは12インチのものしか見たことないのですが、これはちょっと長すぎます。もっと短いものがあることが分かり、探す気になれます。Taylor HobsonのOPICレンズも探しているのですが、まだ一本も見たことがありません。Taylor Hobson Cookeの1930年頃のカタログを見ると、シネ用の1 3/8インチから5 1/2インチまでたった5種類しかないらしく、探すのが難しいそうです。フィルムバック短そうなので、5 1/2インチ以外のレンズでは、使えない可能性がある、などということが分かります。

冩楽彩
こちらのページには貴重なレンズの紹介と作例が大量にあります。掲示板にはクラシックカメラおよびレンズのマニアが集まっています。質問をするとすぐに完璧な回答をもらうことが多く、大変お世話になっています。クラシックレンズ関係で今最もホットなサイトではないかと思います。

Yahoo! オークション>家電、AV、カメラ>カメラ、光学機器>レンズ>大判、中判カメラ用
珍しいクラシックレンズが結構たくさんが出ています。いいものでも人気のないものは安く買えます。eBayも時々見ているのですが、まだいいものを見つけていません。今のところヤフオクの方が気に入っています。


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