EOS10D日記その6

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2006年1月31日 EF85mm F1.8 USM購入

久しぶりにまともなレンズであるEF85mm F1.8 USMを買いました。中望遠のレンズが欲しかったのと、5Dの同時購入キャンペーンで1GのCFカードをもらうためです。135mmF2Lにしようか、100mmマクロにしようかとずいぶん悩んだのですが、小さくて手頃な価格で、10Dで使うと135mmF1.8相当になるので、85mmにしました。5Dと明るい単焦点の組み合わせは、なかなかいいものですね。ISO1600でF1.8だとカメラ屋さんの売り場で1/500秒のシャッターが切れます。心配していたAF精度は問題なさそうです。
http://cweb.canon.jp/ef/lineup/standard/ef85_f18/index.html


2006年1月30日 山崎コンゴー18cm

K . Yamazaki Tokyo Nr 31945 CONGO 1:4,5 f=18cm
とても立派な山崎コンゴー18cmを数ヶ月前から見つけていたのですが、ちょっと重過ぎるのと、汚れがひどいので見送っていました。最近趣味が変わって、レンズ清掃が趣味になってしまいましたので、汚いレンズを好んで買うようになってしまいました。このレンズはテッサータイプなので、汚れやカビは前玉の裏と後玉の裏に集中します。貼り合わせ面はきれいです。レンズを拭いてきれいになるかどうか見当がつくようになってきました。これは拭いたらきれいになると確信し、購入したのでした。4200円と安かったこともありますが。
年代の特定は難しいのですが、クラシックカメラ博物館という本に出ているコンゴー 1:6.3 21cmと鏡胴が同じようです。このレンズは1938年製のフィールドカメラ”パイロット”(橘トレーディング)につけられており、製造番号が15029です。これよりは少し後ですので、仮に1941年頃(昭和16年頃)としておきます。右の写真はレンズ清掃後です。ほとんど透明になり満足。(レンズの曇り具合は、写真の撮り方で大きく変わります。これは最も汚く写した例です。)


大きくて重いレンズです。ガラスと真鍮の塊です。木ネジで木のレンズボードに取り付けるタイプなので、このままではカメラにはつけられません。岸本レンズの標準マウントである39mmオスを接着。本来4x5をカバーするはずなので、多少ケラレても35mmでは関係ないでしょう。
 

レンズは全部バラバラになるので清掃は簡単です。工具は要りません。手で簡単にはずれます。まず念入りに水拭きした後、クリーニングペーパーにクリーニング液をつけて仕上げ。これだけで見違えるようにきれいになりました。絞りは贅沢な18枚絞りです。


10Dに装着したところ。とても長くて重いです。


山崎光学研究所 ( http://www.cosmonet.org/congo/ )は、テッサータイプのレンズの国産化にはじめて成功してから70年。もちろん今でもコンゴーを製造販売しておられます。


2005年1月29日 EF28mm F2.8

以前中古でEF28mm F2.8を購入したのですが、10Dではどういうわけかシャープに写らずお蔵入りしていました。もったいないので5Dにつけて試してみたところ、案外シャープに写りました。この写真はピクセル等倍で切り出しました。50センチくらいの近接撮影ですが、案外シャープです。5Dだと使えるかも。軽いので何とか使いたいものです。


2006年1月28日 ソフトタッチ プライヤーとマウントアダプター

五十嵐プライヤーのソフトタッチ ワイド プライヤーを買いました。3千円ちょいで高かったけど、効果はてきめん。レンズをキズつけることなく実に簡単にまわせます。


今まで作ったマウントアダプタです。レンズボードのメスネジを、39mmオスに瞬間接着剤でくっつけているだけです。小さなレンズには十分な強度がありますが、はずしたくなったらいつでもはずせます。


2006年1月27日 ANSCO No.1A, Certo, Kodak No.2 RAPID RECTILINIAR

No 1A ANSCO, WRAY. LONDON No 18765 5in "LUSTRAR" 1:5.9
1913年のアンスコのカタログにこのカメラがでているようです。(http://www.vintagephoto.tv/anscocat.shtml )裏蓋に1912年10月までの特許の刻印がありますので、多分1913年頃(大正2年頃)製造ということで間違いないと思います。レンズ(WRAY. LONDON No 18765 5in "LUSTRAR" 1:5.9)については、情報を何も見つけることができません。

明らかな反射が8面ありますので、4群であることは間違いありません。よく見ると貼り合わせ面の反射が見るような気もします。バルサム切れがあるようにも見えます。ひょっとすると6枚玉かもしれません。しかしながら歴史書を見る限り、4枚玉とするのが適切なようです。ルドルフ・キングズレーク氏の”写真レンズの歴史”にはレイ社(WRAY)が登場します。120ページを見ると、4枚玉は確かに作っていたようです。125ページには5枚玉のガウス型を開発したとも書かれています。しかしこれはだいぶ後年(1944年)のことです。それにF5.9というのが4枚玉の証拠のような気もします。1900年以前のルドルフのプラナーですらF4.5ですし、1920年のリーのオピックレンズはF2ですので、F5.9の6枚玉というのは考えられないようです。このレンズがオリジナルであれば、1913年製の4群4枚と一応しておきます。

Webを探し回っているうちに、次のようなページを見つけました。まだまだ不完全ですが、参加型のようですので、時間ができたら投稿してみようかなと思っています。http://camerapedia.org/wiki/Main_Page

No 1A ANSCOの外装部分には、全く文字がありません。外見的な特長は、シャッターダイヤルと、ファインダーのカバーです。ステンレス?の板で作りました、という感じです。



1912年までのパテントの刻印があります。6Aまたは6Bというフィルムを使用します。


6Aと6Bフィルムの切り替えのためか、または6x9用か、マスク用の板が付属しています。


反射型ファインダーのカバーは、デザイン的にも目立ちますが、結構実用的だったのかもしれません。


レンズの刻印はかすれていて読みにくい。


レンズを磨いたところ、ぴかぴかです。絞りは半分壊れています。一応絞れますが、いびつな形です。シャッターは開きっぱなしで、まったく閉じません。多分壊れた絞りにひっかかっているのだと思います。私が使う分には現状で問題なし。


ネジはイコンタと同じですので、蛇腹への取り付けは簡単。



Certo 1:6.8 F=10,5cm No 315441
カメラにはCERTO(ツェルト)と会社名が書いてあるだけです。このカメラは木製ですので、とても軽い。それにライズとフォールがとてもスムーズにできます。資料が全く見つからず、製造年不明。だいぶ古いとは思うのですが。
 

ピントグラスを除くときはこんな感じです。


レンズは3枚玉で、ばらばらにできます。シャッターのは表示板を回すのではなく、針を回します。


ネジはイコンタとセイコー0番の中間で、新たにアダプタを作りました。これでアダプタの材料は品切れ。



No 2 Folding Autographic Brownie, Rapid Rectilinear (多分F7.7 86mm)
ラピッドレクチリニアと呼ばれる2群4枚のレンズが欲しくて、探していたのですが、やっと見つかりました。全くの偶然です。ラピッドレクチリニアは1866年にダルメイヤーが開発したもので、その後60年に渡って広く使われたレンズです。たくさんのメーカーが大量に作っていますので、入手は難しくないはずなのですが、なにせ古いもので、なかなか見つかりませんでした。実は今回、それとは知らずに買ってきました。お店では全く気付かなかったのです。レンズも良く見ないで適当に買ってきたKodak No2を家で分解していて、はじめて気付きました。レンズの側面にはっきりとRAPID RECTILINEARと書かれているのを。

このカメラは一般的なようでして、簡単に検索できました。KODEXシャッター付のものは1924-1926年(大正13年ー15年)に製造されています。1924-April 1926: Rapid Rectilinear, Kodex shutter: $11.00 ( http://www.geh.org/fm/brownie/htmlsrc/mE13000320_ful.html ) 他のコダックのカメラについても詳細な説明があります。http://www.geh.org/fm/brownie/htmlsrc/brownie_idx00001.html

このレンズのスペックは多分F7.7 86mmだと思います。実写テストでも、だいたいそんなところです。案外広角です。このシャッターは変わっています。U.S.絞りのようで、4と書いてあるのが、だいたいF8のようです。普通のF値の半分くらいの数字が書いてあります。
 

レンズの側面にRAPID RECTILINEARの刻印。
 

右側の金具をスライドさせて、表から裏蓋をはずします。


後玉に小さなきずがあることを除けば、大変きれいな光学系です。シャッターも好調。


レンズボードのネジは今までで最も小さなものです。専用マウントアダプタを作る材料がないので、一時的にCoronarのものを流用。ネジに書いてある文字は、私が書いたもの。マウントアダプタが増えすぎて、目印をか書かないと何が何だか分かりません。
 


2006年1月26日 QTVRのメッシュの密度は?

掲示板に”QTVRのメッシュの密度は?”という質問があり、Makotoさんから回答して頂きましたので、転記します。

タイトル Re: メッシュの密度は?
投稿日 : 2006/01/25(Wed) 19:00
投稿者 Makoto
参照先 http://www.tenpai.com/QTVR/

メッシュ密度の件、判明しました。
AppleのQTVR SDKの仕様書に記述があり、サブタイルファクタとか言うものらしいです。ストリーミングの単位に反映されるとか。
で、こいつで作れます(Windows用ですが)。
"Pano2QTVR"
http://www.pano2qtvr.com/
どうもEQ(Equirectangular)画像をQTVRに変換するソフトのようですが、6面Cube画像変換にも対応していたり、すごい多機能です。
変換パラメタに"Subtile"の設定あります。お試しを。


2006年1月24日 5Dの感想

ちょっとだけ時間があったので、5D試してみました。

・電池の持ちはいいです。小雪の舞う中1000枚ほど撮りましたが、一個の電池(新品)で十分足りました。

・シャッター音は好きです。パコンパコンと中版一眼レフのような音です。割と静か。

・連写は快適です。秒3コマなので速くはありませんが、Large Normalで60枚くらいではバッファフルにはならなかったです。これ以上連写することはないでしょう。CFは遅いほうのハギワラですのでバッファからの書き出し時間はかかりますが。

・ファインダーは大きくていいです。今回使った8mmと17-40mmでは広角過ぎて、ピンとはよく分かりませんが。

・AFは合っているのかよくわかりません。今度テストします。

・液晶モニターはコントラストが私には高すぎます。シャドーがつぶれて見えます。慣れが必要。液晶の明るさは調整できますが、コントラストは調整できません。

・現像パラメータは追い込みが必要。やはり10Dとはちょっとクセが違うようです。10Dの時は追い込みに1年かかったのですが、今度はもうちょっと早くできると思います。

・カメラの大きさと重さは、持った感じでは10Dと全く同じです。区別がつきません。

・操作系は10Dとほとんど同じなので、全く違和感ありません。小さなジョイスティックもちゃんと動いています。

・画像ファイルのサイズは10Dの2倍ほどになるので、安物のPCMCIAアダプタでは遅すぎます。カードバスの速いやつを買いました。これだと1GBで3分くらいです。

・CMOSセンサーにゴミはつきます。これは10Dを同じ。一日ですでにゴミが写っていましたので、頻繁にブロアで吹いてあげる必要がありそうです。(以前は絞らなかったので全く気にならなかったのですが、最近は絞り込むことも多いので、大変気になります) カメラが2台になったので、やっと清掃に出せます。

・広角レンズは本来の画角で使えるので、大変メリットがあります。一方、標準ズームとして使っていたEF17-40F4が本来の広角になってしまったので、5D用の標準ズームが必要になってきました。どうしようかなぁ。同時購入キャンペーンが1月31日までなので。。。


2006年1月22日 5D購入

ついに決断しCANON EOS 5Dを購入しました。円周魚眼が円周に写るのはやっぱりいいものですね。テスト後、報告します。SIGMA 12−24mmをつけて回転してみると、広い範囲を表示したときのQTVRの画面のようです。画面の端の物がビュンビュン伸びる。


2006年1月21日 ボシュロム テッサー

KODAK 1 AUTOGRAPHIC KODAK SPECIAL MODEL A というカメラを購入。ボシュロムテッサー90mmとWollensakのOPTIMOシャッターが入っています。

素人が補修したようです。蛇腹はすごくてきとうな袋蛇腹に変わっています。


裏蓋を横にスライドして、本体を取り外します。蛇腹はいいかげんなものですので、グジャグジャに折り畳まれています。


90mm BAUSCH-LOMB TESSAR Series 1c Pat. Feb.24.1903 No 2648552
文字を読みやすくするため、ストロボ直射しました。バウンスだとコントラストが低くて、字が読みにくい。直射でも、外付けストロボはレンズがら遠いため変な影が出てだけです。内臓ストロボがちょうど具合いい。Wollensak OPTIMOシャッターはお店では全く動かなかったのですが、どういうわけか動くようになりました。カメラからとりはずしたのがよかったのかも。このシャッターをカメラからとりがずすのは大変でした。蛇腹交換の時に、ペンキをいっぱい塗ってあって、これがネジを固着させていました。この状態で、無理にネジを回そうとしたらしく、ネジ山がつぶれていました。コンパスも全然歯が立ちません。一時間ぐらい苦戦した後、やけくそになって、壊れるのを覚悟で、マイナスドライバーをシャッターをレンズボードの間に差し込んで、20回ぐらい思いっきり抉(コジ)ると、ばきっととれたのでした。ネジはほとんどかんでおらず、ただペンキでカメラに接着してあるだけだったのでした。


だいたいこんな色です。ストロボの当てかたによって、だいぶ色が変わります。このシャッターは確か無音シャッターと言ったと思います。ぜんまいを巻く時のレバーの角度がほんのわずかで、確かに静かです。シャッターにも特許の日付が書いてあります。JUNE 14 1910


清掃後、光学系はまずまずきれいです。固着したペンキの跡が見えます。テッサーです。


ネジはイコンタと同じなので、すぐ使えます。


2006年1月20日 デジタルカメラマガジン2月号

組み写真投稿部門にて幸運にも準優秀賞を頂きました。クラッシックレンズでの初めての入賞です。
http://www.ksmt.com/dcm/dcm0602kama/dcm0602kama.htm

同誌の玄人の道具箱にも”アオリ撮影 自作ベローズのススメ”という記事も掲載されています。たまたまこの道具で撮影した写真が入賞したので、タイミングがよかったです。今まで自作ベローズ使った作品は全部(といっても2回ほどですが)落選だったので。
http://www.ksmt.com/dcm/dcm.htm#200602d


2006年1月19日 とても怪しいレンズ K.P.GOERZ PLANAR

PLANARと銘の入ったレンズがついた 1A AUTOGRAPHIC KODAKを発見。とても怪しい。しかしながら、PLANARはプラナーに違いなく、すごい掘り出し物と思い購入。
K.P. GOERZ No 2251 SPECIAL ANASTIGMAT PLANAR 1:6.3 推定焦点距離13,5cm

コダックらしい外観。


お店では、ついに裏蓋の開け方が分からなかったが、家に帰ってボタンを発見。ボタンを押して裏蓋を伸ばして、カメラ部分を引き抜く。

 

アメリカ製。アメリカのカメラはパテントが刻印されています。1917年6月19日で終わっているので、1918年型と推測されます。


K.P. GOERZ No 2251 SPECIAL ANASTIGMAT PLANAR 1:6.3 推定焦点距離13,5cm
いったいこの小さなシャッターの中にどうやって4群6枚のプラナーが入っているのかと思い、あけてみたら、なんと2群3枚。一見2群2枚のように見えますが、ANASTIGMATと書いてあるので、多分前玉は2枚貼りあわせだと思います。良く考えてみると、フォールディングカメラにプラナーは入るわけはない。さらにGOERZがPLANARを作ったと聞いたことはない。さらにGOERZでも本家のC.P. GOERZではなくK.P. GOERZ。このレンズもこの会社も、どこを調べても全く何も書いていません。謎のレンズです。多分、トリプレットの前2枚をくっつけたものか、プロターの後ろを一枚に簡素化したもののどちらか。どっちでも結果的には同じですが。
 
私の持っている中では一番小さなPRONTORIIよりさらに小さいネジ。幸いオスネジが長いので、PRONTORIIアダプタに通して、後ろからメズネジがかかる。ほんの一山ですが。一応試写可能の状態にはなりました。レンズを拭くと、結構きれいになりました。2群のレンズなので、拭くのは至って簡単。部屋の中で撮る分には、割とまともなレンズです。週末のテストが楽しみ。


2006年1月18日 AVUS, Semi-Minolta, Olympus6

Voigtlander Anastigmat AVUS 13,5cm 1:6.8 D.R.P.291916 No 157629
Voigtlander AVUS(フォクトレンダー アバス? アーバス?)にANastigmat AVUSという聞いたことにないレンズがついていたので購入。シリアルナンバーから1920年(大正9年)の製造と判明。ベルグハイル(Bergheil)よりは少々安いカメラだったようです。普及機なので3枚玉トリプレットです。普通は4枚玉(テッサータイプ)のスコパー (Scopar)がついているらしいのですが、それ以外にもいろいろなレンズがついていたようです。

 
ケースにAVUSとフィルムの取り枠3枚がきっちり収まっていました。ケースの内張りは鮮やかな青色です。


取り枠やカメラの裏は鮮やかな赤色の布で遮光されていました。高級感があります。


カメラの前には大きくAVUSと書かれた派手目のデザイン。


レンズボードが上下にシフトできます。視差補正用と書かれていることが多いですが、これくらいシフトできれば、建物のまっすぐに撮影できるかもしれませんね。


ピントフードを出すとこんなに大きくなります。

 
レンズの刻印が薄いので、拡大しました。


ネジはセイコー0番とほぼ同じですので、私の蛇腹に簡単に付きます。


Coronar Anastigmat Nippon 1:4.5 f=75mm Nr 41957
セミ ミノルタ (Semi-Minolta) で安いのがあったので購入。時々お世話になっている松坂屋カメラで研究用と呼ばれるカメラです。5,000円なり。研究用とは、撮影には使えないという意味。レンズはひどく汚れていたのですが、経験からばらばらにして拭けばOKと判断。

革張りの部分は相当くたびれていますが、メッキの部分はまだピカピカ。


レンズにもシャッターにもNIPPONの刻印があり、日本製であることを強く主張しています。ただし、シャッターのデザインはどこかのとそっくりですが。


シャッターはきれいなのに、どういうわけか絞り値表示板だけが錆びて汚い。


このレンズは3枚玉ですが、すべて分解できるので、大変拭きやすい。

 
シャッターのネジはPRONTORIIよりも少し大きい特殊なもので、、手持ちのアダプタを使えない。ガラクタをごそごそ探していたらぴったりのネジを発見しました。まさにこの特殊径シャッターを39mmオスに変換するもの。実はこれ、良く行くカメラ屋さんに以前10個ほど分けてもらった意味不明ネジのうちの一個。売り物だそうですが、高い買い物をすると、ガラクタ箱の中から少しおまけがもらえます。マウントの件はあっけなく一件落着。またもらってこよう。


Olympus Zuiko F.C 1:2.8 f=7,5cm 135452
安くてレンズのきれいなオリンパス シックスを見つけたので購入。これも松坂屋カメラの研究用です。5000円なり。シャッターが壊れています。油が固まっていて、シャッター開いたきり閉じません。これは明らかに故障ですが、私にとっては好都合。このCOPALのシャッターにはタイムがないので、正常ならレリーズなしではシャッターを開けっ放しにできません。

外観はきれいなOlympus SIX


どこも悪くないように見えますが、シャッターが壊れています。修理するとかえって高くつくとのこと。


Zuikoレンズは良く写るが、くもりやすいといわれますが、このレンズはほとんどくもっていません。シャッターがわるいだけ。


レンズをカメラからはずしたところ。普通メスネジにはシャッターレンチ用の溝が切ってあるのですが、これはコンパス用の穴です。カメラ店以外では触るなということでしょうか。紙のワッシャーが入っていたのですが、これは修理伝票を切り抜いたもののようです。修理関係の文字が読み取れます。


テッサータイプの4枚玉。真ん中のレンズははずれません。ピントあわせは、前玉回転繰り出し式ですが、スムーズに回せるよう、グリースがかませてあります。これがシャッター故障の原因と思われますが、同時にレンズを拭く時の障害になります。レンズを拭いても拭いても、グリースが広がるばかりで、きれいになりません。最終的には結構きれいになりました。


このレンズ、ヤシノン用のフードがつけられます。これは便利。


2006年1月15日 江戸東京たてもの園

keijiさん御推薦の江戸東京たてもの園に行ってきました。http://tatemonoen.jp/ 期待通りなかなか面白かったです。特に武居三省堂(文具店)が面白かったです。昔は墨や硯を売っていたんですね。1927年(昭和2年)に建てられたそうで、私の集めている古いレンズが作られたのと同じ時代ですね。まずQTVR作成用にSigma8mmで園内一周、晴れている間に暗い(F18)Ross Zeiss patent Anastigmatのテスト。曇ってきたので、Dagor, Xenar, Tominonなどのテスト。合計園内3周ほどして、約3時間。

江戸東京たてもの園は小金井公園の中にあります。JR武蔵小金井駅からバス。小金井公園は桜の名所のようで、ものすごい数の桜の木がありました。4月に行くのもよさそうです。


2006年1月14日 J:COM Magazine掲載

J:COMの友人の紹介で、J:COM Magajine 2006年1月号の中のJ:COM湘南 J:COMMUNITY の表紙に私の写真を使って頂きました。
http://www.ksmt.com/panorama/060115jcom/060115jcom.htm


2006年1月13日 Dagor 18cm, Ross Zeiss Anastigmat 86mm

Goerz-Dagor 1:6,8 f=18cm Carl Zeiss Jena Nr. 403797
ゲルツ(ゴルツ) ダゴール 1:6,8 f=18cm カール ツアイス イエナ Nr. 403797
1920年(大正9年)製造。2群6枚。ムサシで18,000円で購入。ついにダゴールを買いました。18cmなら何とか私の蛇腹に付けられます。前玉と後玉に少しキズがありますが、その他はきれいです。ゲルツがツアイス・イコンに合併後、ツアイスのイエナで作られたものです。ゲルツのレンズはツアイスと合併後次々と消えて行きましたが、ダゴールだけは人気があり、製造を続けました。
 
バレルレンズです。シャッターなし。

ネジは38.5mmですが、39mmにそのまま問題なく入ります。


Ross, LONDON Zeiss Anastigmat 1:18 F-86 m/m (Patent) No. 1066
ロス(ロッス) ロンドン ツアイス アナスチグマート(アナスチィグマット、アナスティグマート、アナスティグマート) 1:18 F-86 m/m (ツアイス パテント)) No. 1066 プロター5類
2群4枚 1893年頃製造(明治26年頃) ムサシで28,000円で購入
1890年にツアイスのルドルフが球面収差の補正に成功し、アナスチグマートと呼んだ。1890年から1893年までにいろいろな形で市販された。ツアイスは外国の会社にアナスチグマット製造のライセンスを出した。ロス社もその一社である。ツアイス アナスチグマートにはシリーズIからシリーズVまであり、これはシリーズV(超広角)である。ツアイスは1900年には名前をプロター(Protar)に変えた。このレンズはプロター5類と呼ばれる場合がある。(ルドルフ・キングズレーク氏の写真レンズの歴史を参考にして書きました)

真円絞りです。F18からF71まで。

金色の帯に刻印してあります。なかなかきれいなデザインです。ただプロター5類はレンズの直径がわずか7mmくらいしかなく光学系がきれいなのかどうかよく分かりません。買った時点では、前玉のネジがばかになっていて、これ以上ネジ込めなかったのですが、ネジを掃除して、何とか無理やりネジ込みました。それにしてもシリアルナンバー1066番は若いですね。ひょっとしたらシリアルナンバーではないのかもしれません。

レンズをはずしたところ。回転式真円絞りにはクリックストップがあります。前玉の方が少し大きいのが分かります。2群4枚なので、ロスのコセントリックか、ダルメイヤーのレクチリニア系のロス・シンメトリカル系かと思ったのですが、なにしろZeiss Patentと書いてあるので、まちがいなくプロター5類です。プロター5類はF18で、超広角です。4x5インチでも使えるはずなので、86mmは超広角ですね。

絞りの拡大図。真円絞りは故障しないのでいいですね。F18ではボケうんうんは難しいですが。

このレンズのネジもダゴールと同じ38.5mm径で、39mmの蛇腹にそのまま付けられます。


2006年1月12日 写真レンズの歴史購入

”写真レンズの歴史”(ルドルフ・キングズレーク著、雄倉保行訳、朝日ソノラマ クラシックカメラ選書 11巻)という本をやっと入手しました。新品は既に在庫切れで、アマゾンのマーケットプレイスにしかありませんでした。定価2100円の本が、古本で3800円ほど(送料込み)なのでちょっと高いですが、古本屋を探し回ることを思えばとても便利ですね。

読んでみると、私がずいぶん勘違いしていたことがありました。ヘリヤーの方がテッサーより2年ほど前に開発されていたことなど。


2006年1月11日 新藤修一氏のホームページ

新藤修一氏のホームページ”新藤修一の仕事場”はカメラマンに大変人気のあるホームページでして、私も頻繁に見ています。特にカメラテストは大変面白く、以前からまねをさせてもらったり、D200テストの手伝いをさせてもらったりしました。新藤氏の”後書き・独り言”でkamt.comを紹介してもらうと、ユニークアクセスがその時だけ一気に上がります。普段はksmt.comのアクセス数は一日あたり60件程度なのですが、前回コントラストの件で紹介して頂いた時は約700件に、今回の”岸本レンズ”では約350件に上がりました。2〜3日すると元に戻るのが情けないところですが。
http://shindo-s.com/end0509/end34_0601.html#Anchor225641

今週はずっと出張で毎日ホテルからの更新です。今日は鹿児島からです。写真を撮っている暇がないのが分かってたので、カメラは持ってきませんでした。今日の朝一番の飛行機で来て、明日朝一番の飛行機で帰ります。


2006年1月10日 CMOSセンサーのゴミ

F22で流し撮りをしたとき、10DのCMOSセンサーのゴミがあまりにひどかったので、思い切って自分で清掃してみました。本当はダメなんでしょうが、レンズクリーニング液とペーパーで適当に道具を作って清掃。ごしごし擦らないととれないですね。下の写真は清掃後にF32で撮影したものです。ほとんどきれいになっています。


しかしながら、わずか4枚撮影しただけで、左上に大きなゴミがついてしまいました。ミラー室の中が相当ゴミに汚染されていて、ミラーでゴミが巻き上げられているようです。空気が乾燥しているので静電気がひどいせいもあるかもしれませんね。これくらい大きいと、ブロアで吹くと取れますが。しばらくはブロアでゴミを吹きながら使おうと思います。後はPhotoshopでごみ取りですね。


2006年1月9日 ぽっかぽかレモンマウント失敗

期待されたぽっかぽかレモンマウントでしたが、見事失敗。内面反射がひどくてものすごいゴーストが出て画面が真っ白になってしまいます。マウントの中がきらきらのアルミですので、無理のようです。下の写真がフードをぎりぎりまで伸ばしてゴーストを軽減した、ましな例。少なくとも中を黒く塗らなければならないようです。


2006年1月8日 43mm−39mmアダプタ製作

代々木カメラで43mmのエクステンションチューブを見つけ、3本500円買ったので、ヘリヤー15cmのマウントアダプタが作れるようにんばりました。39mmオスの周囲をちょっとだけ削って、43mmの穴に押し込み、瞬間接着剤で固定してできあがり。ステップダウンですのでちょっと無理がありますが、それほどケラレるわけでもないので、専用蛇腹を持ち運ばなくてもよい分、助かります。


2006年1月7日 ぽっかぽかレモンマウント

寒い季節、駅で熱いぽっかぽかレモンを飲んで温まります。キャップを開ける時、こりゃヘリコイドだなと思ったのが発端。家に帰ってジャンクの引き伸ばしレンズに取り付けてみると、それなりに機能するのでした。Fujinon 90mmは39mmオスネジの部品取りが終わり廃棄寸前でした。

 
今回使用した飲料カン。キャップの直径が太いのがミソ。これを右の写真のように加工します。薄いアルミなので、ハサミでチョキチョキ切れます。ラジオペンチでレンズの直径、フランジバックなどを考えて形を整えます。失敗した場合、もう一本飲みましょう。

接着剤でレンズとカメラマウントにそれぞれ接着。精度の悪い部品には瞬間接着剤は向きませんので、合成ゴム系が良いようです。

完成図。ヘリコイドの繰り出し量が小さいため、焦点距離は5m−無限遠です。5m以内の撮影には接写リングが必要。右の写真は12mmの接写リングを入れたところ。これで1m前後の撮影ができます。


2006年1月6日 Maximar, agfa, ansco, kodak

Ica Akt-Ges Doppel-Anastigmat "Maximar" 1:6,8 F=13.5cm Nr532689
新宿中古カメラ市場でレンズ単体18,900円で購入。光学系まずまず。概観良。COMPURシャッター好調。Webで調べたところICA Halloh 510.  1914-26  118-film. Negativformat 8*10,5cm と出ていました。1920年頃のレンズだと思われます。多分4群4枚のドッペル型。
 
前玉の刻印がきれいです。後玉にも同じシリアルナンバーが刻印してあり安心。


マウントはセイコー0番と同じなので簡単。

 
左がMaximar開放F6.8. 右がEF70-200 F6.7. 開放絞り6.8は現代の基準と同じようです。

AGFA PB20 READYSET MADE BY AGFA ANSCO BINGHAMTON, N.Y. 焦点距離、F値刻印なし。約110mm 約F11(INST時) 約F22(TIME時) 代々木カメラで9000円で購入。レンズの概観が美しかったため。Webで調べたところ、1939年頃のカメラのようです。http://www.jdhartsell.com/AgfaPB20/index.html According to various inflation calculators, $7.75 in 1939 relates to $101.69 in 2005. ということで現代の価格でも1万円程度の普及品のようです。絞り、シャッター速度とも固定の単玉です。今の使い捨てカメラのようなものですね。どうやらアメリカでフィルムを売りたいので、カメラを安く提供したものと思われます。
 


ニューヨークで製造されたようです。

 
左はシャッターをINSTに合わせた時。約F11。 右はシャッターをTIMEに合わせた時。約F22。

 
マウントはプロンターIIよりわずかに大きく入りません。専用のマウントアダプタを作成。


ANSCO Viking MADE FOR ANSCO BY AGFA CAMERA WERK MUNCHEN U.S. ZONE GERMANY
レンズ: Agfa Agnar 1:4.5/105 985065 代々木カメラで5500円で購入。レンズに変なクモリがあるのと、距離指標が無限大に行かないのでジャンク扱い。クモリは前玉に一群と二群の間にあるので、清掃不可。距離指標の問題は簡単に修理できました。
操作マニュアルが http://www.butkus.org/chinon/ansco_viking/ansco_viking.htm にあります。
U.S. ZONE GERMANYとかいてありますが、これは占領下のドイツで、終戦から1949年の西ドイツ建国までの期間に作られたと思われます。推定1949年。


ボディーと蛇腹に化学繊維が貼ってあり、妙なカメラです。


ANSCO 120フィルムを使うようです。フィルム装填部分に工夫がみられます。


修理前のレンズ。距離指標が30mのところで止まってしまいます。

 
修理後のレンズ。無限になります。修理は簡単。イモネジをはずして、指標をずらすだけ。前修理した人がうまく組みつけられなかったのでしょう。ネジが一本紛失しています。

 
前玉の周辺のクモリ。前玉の1群と2群はネジですので取れそうなものですが、固着していてそうしても回りません。マウントはセイコー0番と同じで簡単。

KODAK STERLING II CAMERA
レンズ: KODAK LONDON 105mm ANASTON f/4.5 MOUNT 320
代々木カメラで9000円で購入。イギリス製のコダック。Webで調べると、The Sterling II (There was no 1 !!!) was made from 1954 to 1959, but this one is an early model with black plastic knobs, which dates it to pre mid 1956.と書いてあります。推定1956年製造。

プラスティックのファインダーと、距離環の角が目立ちます。


コダックはどうしても620フィルムにこだわっているようで、CAUTION THIS CAMERA DOES NOT TAKE 120 FILMと書いてあります。

 
光学系、シャッターとも問題なし。マウントはセイコー0番と同じなので簡単。リムセットPRONTOシャッターはTimeがありませんが、レリーズがつくのでBで開放にできます。


2006年1月5日 The Word Wide Panorama参加

The Word Wide Panorama http://geoimages.berkeley.edu/wwp/index.html の
"Best of 2005" http://geoimages.berkeley.edu/wwp1205/index.html に参加しました。
http://geoimages.berkeley.edu/wwp1205/html/RikuichiKishimoto.html に私の作品が出ています。


2006年1月4日 箱根 三河屋旅館

家族旅行で箱根小涌谷温泉の三河屋旅館に行ってきました。温泉も料理もよく、なかなか快適な旅行でした。道路も思ったより空いていて片道一時間半くらいでした。夕食の料理をQTVRにしてみました。しゃぶしゃぶの鍋の上で撮影しようと思ったのですが、湯気でレンズが曇ってしまいダメでした。
http://www.ksmt.com/panorama/060103hakone/060103hakone.htm


2006年1月3日 クラッシックレンズのリスト作り直し

クラッシックレンズの数がハイペースで増え続けているため、リストの管理がしづらくなり、フォーマットを変えました。思ったよりうんと大変な作業で、3日くらい費やしてしまいました。
http://www.ksmt.com/eos10d/classic2.htm
クラシックレンズに関するWeb上の記載は少なく、先日イタリアから問い合わせが来ていました。これに対応するため、英語の注釈もつけるようにしました。


2006年1月1日 ヘリヤー、フード、39mmオス

あけましておめでとうございます。玄関のささやかなしめ飾りをクセノン5cmで開放で撮影してみました。


ヘリヤー 15cmの分解清掃
ヘリヤーを前玉にゴミたくさん入っているし、振るとカタカタ音がするので不審に思っていたのですが、このレンズなんと前玉が工具なしで完全に分解できるのでした。ギザギザの付いたリングを手で回すと、真ん中の2群レンズンい続いて、1群の張り合わせレンズまで外れます。これならレンズ拭きは至って簡単。清掃後組み立てなおすと、ゴミもガタも完全に直ったのでした。下の写真はヘリヤー15cmを工具を使わず分解したところ。レンズ拭きという楽しみをユーザーに提供しているのだと思いました。


ヘリヤー 15cmのフード
先日新藤さんのところに伺ったとき、フードは十分深いものをつけなけらばならないことを教わりました。私は面倒くさいので、今までフードをつけていませんでした。手元にジャンクで買った、ホースマンプレス用(TOPCON Horseman Press 3.5/10.5cm) のフードがあったので、これが付くレンズを探したところ、ヘリヤー15cmにぴったりとついたのでした。下の写真はクセノン5cmで撮影。
 

39mmオス部品の作成
たくさんあった部品が品切れになってきたので、39mmオス部品の作成。フジの引き伸ばしレンズから39mmオスを一個取った残骸に、もう一個39mmオスがついていたので、ノコギリで切断。ネジの前後2箇所をカナノコでギコギコ切断。最後にヤスリとペーパーをかけて完成。写真は一個のレンズを3つに切断したところ。真ん中が欲しかった39mmオス。39mmオスは引き伸ばしレンズのジャンクを買ってくれば簡単に作れるのですが、安いもの(500円くらい)が見つからないので、こんな面倒なことをしています。高いのはもったいなくて切れない。


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