EOS10D日記その8

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March 22, 2006 Making Tokyo Tower QTVR

Making cubic VR from top of Tokyo tower is actually easy. 東京タワーの上空からのCubiv VRを撮影することは簡単です。

1. Prepare a camera and lens. Any camera and lens are OK, but wide angle one is easier to cover 180 degree in vertical direction with fewer bumber of pictures. I used digital SLR EOS 5D and Sigma 8mm circular fisheye lens. カメラとレンズを準備する。何でも構わないが縦方向180度を少ない枚数でカバーするためには広角レンズが簡単。私はEOS 5Dとシグマ8mm円周魚眼レンズを使用した。

2. Visit Tokyo Tower and pay 820 yen (around $7) to get to the Main Observatory, 150m from ground. I used a flexible rubber hood to block reflection from room light. That why the image is not circle. 820円払って東京タワーの大展望台に昇る。今回ゴムのフードを使ったが、これが失敗の元。画像が円形でないのは、ゴムのフードを左手で下に引っ張っているため。そうしないと下方の東京タワーが写らない。


They have Special Observatory, 250m, but it's not good for cubic VR because vertical view angle is very narrow. さらに600円払うと、250mの特別展望台に昇れるが、上下の視界が狭く、Cubic VRには適さない。


3. Take 8 pictures from center of all 8 windows if you use circular fisheye lens. If you use other lenses, take as many pictures as you can cover vertical 180 digree view. 窓が8面るので、すべての窓から写真を撮る。円周魚眼の場合には1枚で縦180度カバーできる。その他のレンズの場合には、複数枚撮影して縦180度をカバーする。

4. Buy a plastic Tokyo Tower (400 yen, around $4) as a souvenir. It will be used later. お土産のプラスチックの東京タワーを買う。私は400円のを買いました。後で合成に使います。

5. Stitch 8 pictures into 6 cubic faces. I'm using PanoramaTools and PTGui on Windows XP. お家に帰ったら、8方向の写真をスティッチして6面体に変換する。私はWindows XP上でPanoramaToolsとPTGuiを使っています。

PTGui did an excellent job. "Generate control points" button generates all control points automatically. PTGuiが自動的にコンとロールポイントを全て設定し最適化を行うので、大変便利。


Image parameters are automatically set by optimizer like this. PTGUIのイメージパラメータはこんな感じです。


This is the first syntheiszed image. You can see some issues in this picture, such as sky too dark, reflection of room light, empty space at top and bottom. However, the Tokyo Tower below you is emerged clearly. これが最初に合成したイメージ。空が暗すぎるし、室内灯の写りこみがあるし、上下に空白があるし。しかしながら、足元にあった東京タワーがはっきりと写っているのが分かります。


Generate 6 cubic faces. I'm using Panoweaver to convert from equirecutangular image to 6 cubic faces. You can also use PanoCube plus. 6面体の変換する。私はPanoweaverを使っています。Windows判のシェアウェアでではPanoCube Plusもあります。


6. Take a picture of your plastic Tokyo Tower from the very top. プラスティックの東京タワーを真上から撮影する。

7. Add the tower at the empty space of your 6 cubic faces. プラスティックの写真を6面体の空き地に追加する。

8. Convert 6 cubic faces to QTVR. I'm using Panoweaver. Windows users can also use PaboCube which is free. 6面体をQTVRに変換する。私はPanoweaverを使っていますが、Windows用の無料ソフトをしてPanoCubeがあります。

9. You did it ! Congraturations ! To make it a litle better... 完成おめでとうございます。もうちょっと改善するには。。。

To make the sky brighter, you can take pictures around 30 minutes after sunset. You can also see Mt. Fuji. 空を明るく写すには日没が30分くらいに撮影するのが良いでしょう。


I made a serious mistake. You can see big empty space both at the top and bottom of the pictre. 本当ならこの絵で行きたかったのですが、撮影時に致命的な失敗があります。上下が切れていて、肝心東京タワーが写っていない。。

This is the final equirectanglar image. I mixed the Tower from dark image and bright sky from the bright image. ここは慌てずに、東京タワーを明るい空を適当に合成。


What was my mistake ? It was a hood to prevent reflection from room lights. I though the flexible hood should be pushed back by window, though... 室内の明かりがガラスに反射して映りこんでしまうため、円周魚眼にフードをつけたのが失敗でした。ゴムのフードは窓ガラスに押し付けるとちゃんと引っ込むと思っていたのですが。。。


The left picture shows Fisheye lens can cover almost 180 degree in vertical directgion. But, many reflection of ghost from room lights (red arrow). The right picture shows the hood narrows the view. ガラスにフードを押し付けると自動的にうまく引っ込んでくれるとばかり思っていたのですが、実際にはかなりケラレてしまいます。円周魚眼の場合には丸くケラレていても気がつかないので危険。
 


2006年3月20日 Schneider Xenar 1:4.5 F=21cm

刻印: Jos. Schneider & Co Kreuznech No 276455 Xenar 1:4.5 F=21cm
ネジの直径が58ミリの大きなレンズです。Xenarは小さいのを持っているので、特に必要ではないのですが、立派できれいなレンズがたった7350円だったので、とりあえず買ってみました。シリアルナンバーから1928年製造。家に帰って”クラシックカメラ博物館”で調べてみると、”組立暗函 舟橋勝製作所” 1930年(昭和5年頃) 12x16.5センチ乾板(キャビネ版)で使われていたことが判明。

レンズの状態はばっちり。7350円とは思えません。それでもなお値切ってみたのですが、お店の人は聞かないフリをしていました。


テッサータイプ(3群4枚)です。すべてバラバラになるので、清掃は簡単。


2006年3月19日 Laack Vergr Anastigmat

刻印: Laack Vergr. Anastigmat 1:4.5 F=13,5cm 206148

ラック(ドイツ)です。ラックは戦前の日本のスプリングカメラにもついていたので名前だけは知っていましたが、見たのは初めて。絞りもシャッターもないため、格安で購入。最初見たときはレンズに深い傷がたくさんついているように見えたのですが、単にゴミだったようです。拭いたら全部取れてしまいました。しかし、絞りがないというには、どういうことでしょう? カメラのレンズではないのかもしれません。映写機?
 
このレンズ、ラック ベルガーと読むのでしょうか。良く分かりません。お店ではラークと書いてあったので、最初はどこのメーカーか分かりませんでした。WEBでは何も発見できませんでした。


1:4,5 13.5cm なのでテッサータイプかと思ったのですが、分解してみると3群3枚のトリプレットのようです。


ネジは42mmなのですが、どうしてもM42とかみ合いません。しかたなくM42のチューブと接着し、さらに39mmと接着。


開放からシャープです。絞りはありませんので、絞ることはできませんが、F4.5固定で十分使えそうです。久しぶりにトリプレットを使うとコントラストの高さに驚きます。うまくゴーストが起きないようになっているようです。


2006年3月18日 ウォーレンサック ベリート

刻印: WOLLENSAK - ROCHESTER VERITO 7 1/4 INCH DIFFUSED FOCUS F-4 No 8998

ベリートの短めのを探したら、すぐに買える値段の7 1/4 INCHが見つかりました。もっと難航するかと思っていたのですが。


ネジは56mmくらいで、それほど大きくはないのですが、後玉が長いのがマウントを作る上での難関です。


前のオーナーはF6とF9の間を愛用していたようで、3本線が引いてあります。


どうしてもマウントのアイデアが出ないので、暫定的ににガムテープマウントとしました。43mmのチューブを後玉にガムテープで固定。


F7くらいでの撮影。


これもF7くらい。


ピクセル等倍です。ピントは合っているようです。ソフトフォーカスレンズのピント合わせは難しいのですが、デジカメだと枚数でカバーできるので助かります。


2006年3月17日 ダルメヤー 3D TURN FOR SOFT FOCUS

刻印: TURN FOR SOFT FOCUS No 93524 J H Dallmeyer LONDON 3D PATENT 1866 & 1909

レンズの歴史書に登場するペッツバールの人物用レンズです。堂々たる風格の割には安かったので購入。前玉に5mmほどもある大きな白い点があり、傷のようにも見えました。しかし、水拭きするときれいに取れました。どうやら粘着テープの糊のようでした。レンズの状態はほぼ完璧。

ペッツバールのレンズについての記述を”写真レンズの歴史”(ルドルフ・キングズレーク著、雄倉保行訳)から抜粋します。
”驚くべきことは、彼もまわりの人もレンズ設計について何も知らなかったのに、32歳のペッツバールが像面が平らで人物用として十分明るいレンズの設計を引き受けたことである。(中略) フォクトレンダーは直ちに人物用のレンズを製造したが、もう1本のほうはそのままにしておいた。この新しい人物用レンズは要求どおりのものであって、その頃のダゲレオタイプのカメラに使っていたシュバリエの風景用レンズに比べて20倍近くも明るかった。”

ダルメヤー社の特許については同書に次のように書かれています。
”ペッツバール方の人物用レンズの設計に際しては、後群の前側にクラウンを置いてもフリントを置いても問題にはならない。ペッツバールは前側にクラウンを置いた。1866年、J. H. ダルメヤーは、フリントの前にクラウンを置くという別の形のレンズで特許ととった。実際はこの二つの間には大差がなく(以下略)”

刻印にあるのはこの特許のことですね。
 
F6、約300mmです。ペッツバール型としては、比較的小型。TURN FOR SOFT FOCUSの矢印の方向が逆のような気がします。このレバーは単に絞りで、絞ったほうがソフトになるように見えます。大丈夫?


レンズは3群4枚。これは歴史書に書いてある通り。中玉に鉛筆でシリアルナンバーが書いてあるのは、助かります。


フィルムバックが300mmありますので、スペシャル山本山マウントを作成。約3時間かけて、ペッツバールに人物用レンズのEOSマウント完成。後世の人が山本山をレンズメーカーと誤解しないか心配、なわけないですね。


おお、開放からシャープじゃないですか。絞ってもやっぱりシャープ。TURN FOR SOFT FOCUSと書いてある意味は不明です。長いフードをつけてもなおフレアが出て、コントラストが落ちますが、これだけ写れば立派なものかと。


2006年3月12日 深いフード

誰に聞いても深いフードをつけないと画質が落ちると言います。私は今まで良く意味が分かっておらず、フードは一切使っていなかったのですが、コーティングしていない古いレンズの場合は特にフレアがひどく、深いフードを作ってみることにしました。普通フードはレンズよりも大きいため、レンズ毎に持つと大変かさばります。マツバラ光機のご主人のアドバイスをヒントに、レンズではなく蛇腹にフードを付けてみました。

何か深いフードになるものはないかと探したところ、先日から作りかけの超長エクステンションチューブがぴったりでした。

チューブのビス穴をバヨネット風に回転してひっかけるようにしました。

ちょうどうまいこと径があいます。ただそのままではすぐに外れてしまいますので、0.5mmのアルミ板をハサミで切って、止め金具を作りました。0.5mmだと加工が簡単でいいのですが、加工途中ですぐ折れてしまうのでコツが必要です。厚手のアルミホイルという感じ。フードの3箇所の出っ張りを蛇腹の切り込み合わせて押し込み、ちょっとまわせば止まります。


ロスのプロター5類を取り付けたところ。大変深いフードですがケラレませんでした。フード内面に少し反射が残っていますが、これはヨシとしましょう。

さてその効果ですが、はっきりと改善されました。

フードなし。はっきりとフレアが出ています。このフレアに悩まされていました。


フードあり。フレアは出なくなりました。

このフード、幸運にもクラウス+ツアイスのダブルプロターにもぴったりはまります。


プラスティック製で超軽量なので、ただ押し込むだけで脱落しません。

アポランター(コシナのホームページにはアポランターを書いてあっったのでアポランサーとは読まないようです。Webで検索してもアポランサーではほとんどヒットしません。)にはトプコン ホースマン プレス用のフードがぴったりつきます。1000円で買った傷だらけのものですが、当面これで行けそうです。ちなみにヘリヤー15cmなどにも付けられるすぐれものです。

ホースマンプレス10.5cm用のフード。ネジで止めても、レンズか傷つかないようになっています。


アポランター15cmに装着したところ。


ヘリヤー15cmに装着したところ。


2006年3月11日 アポランター (アポランサー)

VOIGTLANDER BRAUNSCHWEIG APO-LANTHER 1:4,5/15cm 3601827
絶対買うまいと思っていたフォクトレンダーのアポランター(アポランサー)ですが、きれいな玉が安く出ていたので思い切って購入しました。1947年(昭和22年製造。PRESS-COMPURシャッターつき。お店のご主人も私も、大変お買い得で、きれいに写るのは間違いないが、私の写真には合わず、私が買うべき玉ではないとの意見で一致しました。しかしながら、この黄色く光るAPOレンズは不思議な魔力を持っていたのでした。(単にブランドの力なのですが) お店のご主人も作風に合わないので買わない方がいいと言っている割には、白川義員がこれと同じのでヒマラヤを撮ったとか、朝夕の光を撮影するならこれ以上のレンズはないとか。そういえば20年ほど前にも白川義員が使っているという理由でPENTAX67を買ったような気がします。
 
戦後も玉ですので、単層コーティングがしてあります。ガラスの色はかなり黄色いというかアンバー系というか、あめ色というか、そんな色です。

 
3本線がアポランター(アポランサー)の証。ちょっと下品ではありますが魔力の元。マウントのネジは39mm。ピッチが違うので一山ほどしか入りませんが、しっかりとまります。デジタルだけで使うのはもったいないかも。


2006年3月10日 DAGORと呼ばれる前のダゴール

DOPPEL ANASTIGMAT.D.R.P C.P. GOERZ BERLIN Serie III No.0.F=120m/m No.42564
写真レンズの歴史(ルドルフ・キングズレーク著、雄倉保行訳、朝日ソノラマ クラシックカメラ選書11)より引用
ツアイスのアナスチグマットが発表された2年後の1892年、27歳の数学者のエミール・フォン・フーフ(Emil von Hoegh, 1865-1915)が、球面収差、色収差を補正してされに非点収差がなく、像面が平らになる張り合わせトリプレットを個人的に設計した。このレンズはコマ収差を補正していないので、中央に絞りを置きその両端にこのレンズを対称に配置すれば、対称性のため、コマ収差は自動的に消滅することになる。フォン・フーフはこの案をツアイスに話したが興味を示さなかったので、ベルリンのゲルツ(Goerz)に話したとのことである。(中略)フォン・フーフのレンズを試作テストしてみると好成績であった(中略) このレンズはダブル・アナスチグマット・ゲルツとして発売されたが、1904年に頭文字を取ってダゴール(Dagor)と名前を変えた。(略)
 
今回購入したのは、このダブル(ドイツ語ではドッペル)・アナスチグマット・ゲルツです。ゲルツの1902年のシリアルナンバーが70001-140935であり、それ以降のシリアルナンバーについては表があります。http://medfmt.8k.com/mf/lflenses.html#dagor このレンズのシリアルナンバー42564はそれより若いので、1901年(明治34年)製と考えられます。最初見たとき値段が割りと安かったので分離型の4枚玉(4群4枚)かと思ったのですが、買ってから確認したところ明らかに2群6枚の初期型ダゴールであることが判明しました。絞り輪は相当固いのですが、レンズはきれいです。
 
前から見るとそっけないデザインです。マウントのネジは35mm程度の中途半端なもので、メスネジは付属していませんでした。そこで引き伸ばしレンズを切断した39mmオスの内径を少しやすりで削って、両面テープをかませて押し込むという暫定マウントを作成。


2006年3月5日 Staebleはシュテーブレと読むそうです

Staeble社はシュテーブレと読むそうです。ルドルフ・キングズレークの”写真レンズの歴史”という本と翻訳された雄倉保行氏がシュテーブレと書いているのを発見しました。残念ながらイソプラストではなくプロトプラストおよびネオプラストという名前のレンズが出ていました。プロトプラストとネオプラストはダゴールと同じ3枚貼り合わせの対称型レンズだったようです。


2006年3月4日 ダブルプロターのマウント作成

 
ダブルプロターのマウントを製作。61mmのネジはないので、後玉の39mmフィルター枠に接続。39mmオスと43mmオスを瞬間接着剤でくっつけて終了。強度的には問題なさそう。

 
後玉が小さいので、このマウントでケラレることはない。カメラに近づくにつれて徐々に太くなっているので、アオってもけられない。

 
試写してみると、強いゴーストが出ている。特にイソプラストのゴーストがひどいが、ダブルプロターやヘリヤーでも少し出ている、蛇腹に金属がむき出しのところがあって、これの反射が疑われる。

 
金属面に合成皮革を貼って反射を除去。ついでにマウントアダプタの金属面にも合成皮革を貼った。しかし対策後でもイソプラストの強いゴーストは、やはり出る。これはレンズの問題と思われる。少しティルトすることにより、ゴーストをうまく逃がせる場合があるようだ。ストロボ直射の場合は、ストロボの光軸とレンズの光軸をずらすことが有効のようだ。最近かなり古い時代のレンズばかり買っているので、やはり性能は落ちます。特に画面中央の強いゴーストが困り物です。CMOS撮像素子からの反射も問題のようです。ファインダーでは出ていないゴーストが写っています。


2006年3月3日 Contessa - Staeble Jsoplast 1:5,8 165mm

ジャンクの棚の中に眠る大きな弁当箱のような古いカメラ。18,900円とジャンクにしては非常に高い値段。これは怪しいと思い中を開けてもらうと、大変美しいレンズが現れたのでした。さすがに大正時代のカメラなので、蛇腹に少し穴が開いているのと、ラックアンドピニオンギヤが壊れていてレンズが前に繰り出せないのと、後玉がひどく曇っているのと、反射式ファインダーが失われているのと、シャッターに一箇所だけ擦り傷があることを除けば大変保存状態の良いカメラです。私に関係があるのは後玉の曇りだけですが、直感でピカピカに磨けるに違いないと思ったのでした。掘り出し物のような気がして購入。

ジャンクの棚に入っていたのが不思議なほど美しい意カメラです。金属部分の塗装も全く痛んでいません。2段蛇腹で、これの2倍くらいまで伸びるはずです。ギアが壊れていて今では伸ばせませんが。


Contessaとだけ書かれています。Nettelとの合併前でしょう。とすると少なくとも1919年、大正8年より前ということになります。


フィルムのサイズは14.5cm x 10cmくらいです。ボディーは木製です。


きれいな真鍮細工です。


COMPOUNDシャッターを買ったのは初めてです。バネが強く、今でも力強く動きます。M/B/Zの位置がCOMPURとは違います。


Dr. Staeble Doppel-Anastigmat Jsoplast 1:5,8 f=165mmと刻印されています。刻印部分は全く傷んでおらず当時のままです。


4群4枚のドッペルアナスチグマートです。最初ここまでしか分解できなかったので、後玉のひどい曇りは取れませんでした。約一時間の苦闘の後、レンズを全て分解することに成功。4枚を別々に洗浄すると、予想通り新品同様の輝きになったのでした。どのネジも大変スムーズで、分かってしまえば苦闘する必要などなかったのですが、ネジの継ぎ目を見誤っていました。どこで分解できるのか気がつけば簡単なことでした。


マウントのネジは33.5mmくらい。これはセイコー0番と39mmの中間くらいなのですが、以前アダプタ作ったような気もします。アダプタの数が多くなりすぎて探せません。


2006年3月2日 ERNEMANN BOB 1 - Tessar 9cm 1:6,3

エルネマンのBOB 1です。レンズの製造番号から大正8年製造と判明。サイズは大変小さく、VPKと同じくらいです。Tessarの9cm F6.3という大変小さなレンズがついて4,500円也。このレンズも曇って真っ白だったのですが、洗浄すればきれいになりそう。なによりこんな小さなカメラのくせに、上下左右にレンズをシフトできます。大変興味を引くカメラです。小さな高級品と言った感じです。安いのはシャッターが完全に壊れているのとレンズがひどく曇っているためです。シャッターが開きっぱなしなので私にとっては最高なのですが、普通は論外ですね。


レール部分にはっきりとカメラ名が書かれているので助かります。

全長12cmほど。大変コンパクトです。


アオリのメカ。縦方向は5段階ほどに、横方向は自由にスライドできます。写真右上のレバーは焦点合わせ用。結構うまく微調整できます。


フィルムのサイズは62mm x 40mm。 


フィルムのサイズのわりには9cmの焦点距離は少し長めです。9cmのテッサーは持っていなかったので好都合。


シャッターと後玉が固着しており、はずすのに一苦労。コンパスとかシャッターレンチの類ではびくともせず、結局大きなプライヤー2本で無理やり回しました。最初ここまでしか分解できず、前玉の曇りがどうしても取れませんでした。水洗いすると前玉の空気間隔に水が入ってしまい、さらにひどいことになりました。しかし、よくよくみると、前玉は簡単に2枚に分解できました。ここの部分のネジの精度は高いです。この時代のレンズはコーティングがされていないため、カビがレンズの中に入ることはなく、分解さえできれば、ピカピカになります。これくらい小さいレンズの場合にはバルサムの心配もいりません。レンズが大きくなるとバルサム切れが起こりやすいような気がします。


マウントのネジは25mmほど。コロナー用のアダプタが何とか使えます。ネジのピッチが違うので、一山くらいしかかかりませんが、なにしろ軽いレンズですので、落ちることはないでしょう。


2006年3月1日 Protarlinseのlinseとはドイツ語でレンズのこと

Protarlinse のlinseとはドイツ語でレンズのことだそうです。
http://de.wikipedia.org/wiki/Linse_(Optik)

プロターの中間の空気をなくして4枚貼り合わせにしプロターリンゼを作り、それをふたつ使ってダブルプロターにした言うことだと思います。前玉だけの場合、または後玉だけの場合、樽型または糸巻き型の歪曲収差が出るが、両方使うと収差が打ち消されるそうです。


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