2010.4.11 Shibuya 渋谷

Camera: EOS 5D

Anastigmat I vs. Stigmatic I vs. Unar Ib

Carl Zeiss, Jena No 4475 Anastigmat 1:4,5 F-183mm D.R.P 10569
J. H. Dallmeyer Stigmatic Series I No 1. No. 59591 (f4/150mm)
Carl Zeiss Jena No 63822 Unar 1:4,7 F=145mm D.R.P. 13440

先週に引き続きAnastigmat I類(1892年)とStigmatic I類(1899年)の比較。先週のAnastigmat Ia類Planar(1899年)に代えて、今週はAnastigmat Ib Unar(1903年)を持ちだしました。


Anastigmat I vs. Stigmatic I vs. Unar Ib


Anastigmat F4.5, 1/500s --- Stigmatic F4, 1/500s --- Unar F4.7, 1/500s
Anastigmat I類とStigmatic I類は良く似ています。Unarは格段にシャープで別世界です。しかし、Unarの方が1絞り程暗いようです。光のにじみが大きいほど明るく見える、という現象もありますが、やはり相当に明るさに差があるようです。



Anastigmat F4.5, 1/750s --- Stigmatic F4, 1/750s --- Unar F4.7, 1/350s
明るさを揃えるために、Unarのシャッター速度を一段遅くしました。



Anastigmat F4.5, 1/3000s --- Stigmatic F4, 1/3000s --- Unar F4.7, 1/1500s
シャープネスは違いますが、コントラストや色などは3本とも良く似ています。

キングズレークの本に書かれているように、Anastigmatの改良型がStigmatic I類であると考えてよさそうです。主な改良点は輪帯収差の補正ですのでデジカメの画像では分かりませんが、近軸上の性能はほとんど変わらないようです。一方、1900年に登場したUnarはStigmatic I類の影響を受けたとされていますが、かなり描写が違います。やはりCookeのTripletの影響を受けたと見るのが自然だと思います。UnarによってF4.5クラスのレンズではトリプレット系の優位が確定したと考えられます。Cooke Triplet, Zeiss Unar, Zeiss Tessar, Voigtlander Heliarなど、いずれ劣らぬ高性能で小型軽量なレンズです。


Carl Zeiss, Jena No 4475 Anastigmat 1:4,5 F-183mm D.R.P 10569






F=4.5, Right: Pixel crop
Anastigmat I類 F4.5は、1892年から1895年にかけてわずかな本数が生産されただけのようです。ポートレートレンズですので、甘い(良い意味でも悪い意味でも)写り方をします。なかなか売りに出ないので、安ければ買っても損はしないと思います。


J. H. Dallmeyer Stigmatic Series I No 1. No. 59591 (f4/150mm)









F=4.0
こちらも甘い描写です。ピント面より相当後ろの描写がなかなか良いので。思い切り前ピンで撮影するのも面白いかもしれません。Dallmeyerならではのポートレート向きのレンズだと思います。


Carl Zeiss Jena No 63822 Unar 1:4,7 F=145mm D.R.P. 13440








F=4.7, Right: Pixel crop
少しぶれている写真もありますが、普通に良く写ります。多分テッサー Icとあまり変わらないと思います。ウナーとテッサーを一度真剣に比較して見なければいけませんね。できれば1902年か1903年のテッサーF4.5が欲しいのです。テッサーはF6.3から始まったと一般に言われていますが、ツアイスの台帳を見ると、1902年の最初のテッサーはF10/470mm x 10本で、11本目がF4.5/16.5cm、その後F6.3がしばらく続きます。1903にTessar F2.7/1.5cmが一本だけあって、1904年にTessar F4.5/150mmが10本とTessar F4.7/145mmが1本。多分、F2.7, F4.5, F10のテッサーは試作品のようなもので、量産はF6.3から始まったのだと思われます。1904年以前のテッサー Ic はまだ見たことがありません。