Ross ACTINIC DOUBLET 6″ board

Ross LONDON 13384 ACTINIC DOUBLET

「写真レンズの歴史」 (ルドルフ・キングスレーク著、雄倉保行訳、朝日ソノラマから引用。
—————-
ロスのダブレット
1841年という早い時期、アンドルー・ロス(Andrew Ross, 1798-1859)が、ロンドン在住の画家でカロタイピストのヘンリー・コレン(Henry Collen)のためにF4の人物用レンズを作った。これは全く形の違う2個の張り合わせダブレットを離して並べたものである。前群は普通の望遠鏡の対物レンズ、後群はクラウンの平凸を前にしたちょっと変わった張り合わせダブレットであった。
このレンズは人物用としては成功しなかったが、1864年、アンドルーの息子トマス(Thomas, 1818-70)がjこの構成を復活させて、暗いが歪曲のないレンズを作った。ロスのダブレットには次の三種類がある。
ラピッド、アクチニック、またはインスタント・ダブレット、F9で画角は±28度
中画角ダブレット、F15で画角は±35度
広画角ダブレット、F18で画角は±40度
これら三種類の構成は同じだが、画角が小さくなるとレンズが長くなり、メニスカスの形が弱くなっている。評判は良かったが、2~3年後に表れたラピッド・レクチリニアに置き替った。
—————-

製造番号から推測すると、このレンズは1871年(明治4年)頃の製造だと思います。ross_actinic

F15で画角は±35度、210mmですから、計算上は8×10を余裕でカバーするはずです。

ちなみに、Dallmeyer Tripole Achromaticに似た構成のRoss Actinic Tripletというのもあるようです。