電力の歴史 松永安左エ門

太陽光発電のことを調べる中で、「電力と国家」(佐高信著、集英社新書)を読んだところ、日本の電力の歴史が書かれていました。抜粋して紹介したいと思います。松永安左エ門がこの本の主人公です。

松永安左エ門は明治八年、海運業を営む豪商、二代目松永安左エ門の長男として生まれる。福沢諭吉の「学問のすゝめ」を読んで感激し、父親の反対を押し切って慶應義塾に学ぶ。福沢諭吉の朝の「散歩党」に加わり、師の言葉に耳を傾ける。「福沢の門下生は数多いが、福沢精神を体現した門人の筆頭は「電力の鬼」松永安左エ門だと私は考える」(電力と国家より引用)

父親が亡くなると故郷で三年間家業を継ぎ、また慶應に復学する。しかし学校がつまらなくなり、社会に出る。三越の売り子、日本銀行入社、石炭販売などの事業を行うが、不良石炭山をつかまされ、無一文に。

明治12年、エジソンが白熱電球の実用化に成功。明治16年日本で最初の電力会社東京電燈設立。日清・日露戦争の好景気で明治40年ごろには、全国で100社以上の電力会社が乱立、競争が激化。明治41年、松永安左エ門が電力にかかわる。

広滝水力発電の監査役、福博電気軌道の設立、名古屋電燈の再建、関西水力電気を合併し関西電気を発足、九州電燈鉄道を統合し東邦電力を設立。子会社東京電力(今の東京電力とは無関係)を使って東京に進出。東京電燈と激しい覇権争い。

「昭和に入り、革新官僚たちの「電力国有化」論が台頭してくると、松永の敵は官僚たちへと鮮明に切り替わる。松永の人生の中で、このときほど官に抗する福沢諭吉の精神を体現し、自らを奮い立たせたときはなかったのではあるまいか。「国有化されれば、「自由な企業家精神は死ぬ」と、電力国有化反対の立場を貫いたのだった。」(電力と国家より引用)