ペッツバールレンズの像面湾曲

1840年頃にウィーン大学の数学教授だったペッツバール博士が、従来より格段に高速なレンズを設計します。フランス式風景用レンズF16がペッツバールF4程度に改善されたので、だいたい4絞。当時のISO感度が1.5と仮定すると、現在のISO100より6絞り遅いです。日中日陰でISO100 F22で1秒(私が現在最も多く使う露出)は、ISO1.5 F16で32秒。ISO 1.5 F4なら2秒。32秒が2秒に短縮されたわけですから、ずいぶん楽になったものです。

ペッツバール型レンズは当初から近軸上は非常にシャープです。しかし、焦点面が曲がっており、画面の端に行くほど焦点面がカメラ寄りになります。これを図で示すと、こんな感じです。exp

放物面はExcelで作成。

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この作例では後ろの壁、バイクのヘッドライト、新郎新婦の手、Aの字あたりが放物面と交わっておりピントが合っています。奥にある顔は焦点面の前、左手前にあるCHEの文字は焦点面の後ろにあります。

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拡大図。放物面が後ろの壁と近い位置を通っているので、壁は広い範囲でピントが合っています。新婦の顔にピントを合わせたつもりだったのですが、撮影中にわずかにずれてしまいました。F=4.0開放だと被写界深度が浅いので、わずかの狂いが大きなピンボケを招きます。F22くらいまで絞れれば、これくらいの狂いは問題にならないと思います。