pint glass & film/plate holder

ピントグラスの位置とフィルムの位置が一致しないとピントの合った写真を撮ることはできません。Deardorff 8×10カメラで撮影すると、ピントグラスで慎重にピント合わせを行ったのにフィルムはピンボケということがあります。そこで、ピントグラス、フィルムホルダー、プレートホルダーの位置を調べてみました。

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レンズとフィルムの距離が変わるとピントの位置が移動します。8×10標準の300mmレンズでどの程度なのかを計算してみました。無限遠位置から33mmレンズを繰り出すと2m42cmにピントが合います。1mm手前の32mmでは2m51cmにピントが合います。1mmレンズまたはフィルムを動かすと、ピント位置が85mm移動します。左目にピントを合わせてつもりが、右目に合うような感じですね。

同様に9mmレンズを繰り出すと9m70cmにピントが合い、8mm繰り出すと10m95cmにピントが合います。1mmで1m25cmピントが移動します。

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ピントグラスの位置を同じ厚さのポストイットで測りました。直接ノギスで測ると、測るたびに違う値が出てくるので、ポストイットの枚数を調整して測りました。裏に糊がついているので、浮くこともありません。

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ポストイットの厚みをノギスで測ると5.4mmほど。

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コの字型のシースが付いたホルダーにフィルムを入れて、同じポストイットを載せると、1mmほど低いです。ピントグラスに比べてフィルムは1mmほどレンズから遠く、1mmレンズを繰り出したのと同じ効果があります。被写体の距離が2.5mでは10cmほど前ピンになると思います。

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このタイプのシースの場合でも結果はほとんど変わらず、やはりフィルムはピントグラスの位置よりも1mmほどレンズから離れているようです。

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ガラス乾板用のプレートホルダーは明らかに厚みがあります。

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ポストイットで深さを測ります。

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約8.1mmです。フィルムホルダーはフィルムの厚さを考慮して6.6mmですから、ガラス乾板の方が1.5mmほど後ろです。8×10のガラス乾板の厚さが1.5mmだったらフィルムと同じ位置に来ます。これでピントグラスとの誤差1mm。もしガラス乾板の厚さが2mmだったら、ピントグラスの位置との誤差が0.5mm程度になります。

結論としては、ピントグラスの位置を1mmほど後ろに下げた方がよさそうです。

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ちなみに、ガラス乾板用のホルダーに8×10のフィルムを入れると、少し小さすぎます。フィルムシースを付けて、ちょうどぴったりの大きさになるようです。

「pint glass & film/plate holder」への4件のフィードバック

  1. フィルムホルダーにフィルムを入れた状態で、慎重にフィルムの位置をノギスで測ると、5.6mmでした。ノギスのデプスバーをゆっくりと押していくと、5.6mmでフィルム面に達し、そのまま押すと6.4mmくらいまで凹んでいきます。昨日は凹んだ方を測っていたようです。フィルムはフィルムホルダーの底に貼り付いているわけではなく、シースの上の方に浮いているようです。

    撮影後に引き蓋(ダークスライド)を入れずにホルダーをはずしてしまい失敗したフィルムが役に立ちました。現像後のフィルムは透明なので計測しにくいです。

  2. > ノギスのデプスバーの接触基準面が小さいので測定のばらつきが大きくなるのでしょうか。

    ノギスは力の入れ具合や当てる角度でかなり違う値が出るので難しいです。特にブリキ板やボール紙や木でできたホルダーの場合には難しいです。

    > デブスゲージとスパンを使うのが良いのでしょうね。

    多分そうだと思いますが、押せばへこむものを測るのは難しいですね。

    > glass plate thicknessで検索すると、フィルムホルダーの実測デプスが8X10で0.260+-0.016 inch、1951年のASA規格でガラス乾板の厚さは、0.058~0.063 inchなどの記事がヒットします。

    私の実測がフィルムホルダー6.6mm(0.26inch), プレートホルダー8.1mm(0.26+0.59inch)ですから、1951年のASA規格とぴったり合いますね。

    > Antoine François Jean Claudetアントワーヌ・フランソワーズ・ジャン・クロード (August 18, 1797 -December 27, 1867)は、1849年肖像写真の完全な合焦のためにfocimeter(focusmeter)を発明しました。
    http://image.eastmanhouse.org/files/GEH_1952_01_02.pdf

    キヤノンEOS 10DのAFが全然合わなかった時代に、似たような実験をよくやりました。当時はキヤノンで一本ずつ調整してもらって、やっと合うようになりました。

    > ご存知のように、Kingslakeの写真レンズの歴史は、このIMAGE Journal of Photography of the George Eastman Houseの連載記事を加筆したものです。

    そうだったんですか。知りませんでした。ありがとうございました。

  3. ノギスのデプスバーの接触基準面が小さいので測定のばらつきが大きくなるのでしょうか。デブスゲージとスパンを使うのが良いのでしょうね。
    glass plate thicknessで検索すると、フィルムホルダーの実測デプスが8X10で0.260+-0.016 inch、1951年のASA規格でガラス乾板の厚さは、0.058~0.063 inchなどの記事がヒットします。
    Antoine François Jean Claudetアントワーヌ・フランソワーズ・ジャン・クロード (August 18, 1797 -December 27, 1867)は、1849年肖像写真の完全な合焦のためにfocimeter(focusmeter)を発明しました。
    http://image.eastmanhouse.org/files/GEH_1952_01_02.pdf
    ご存知のように、Kingslakeの写真レンズの歴史は、このIMAGE Journal of Photography of the George Eastman Houseの連載記事を加筆したものです。

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